1.宮崎県が8月の人権啓発強調月間に、映画上映会、県民人権講座、広告配信、作品展示などを集中的に実施する
2.県内18市町村の「ふれあい映画祭」では、障害と多様性を扱うアニメと「SING/シング:ネクストステージ」を無料上映する
3.部落差別、外国人、多様な性、SNS上の人権侵害などを扱い、啓発から相談・支援へつなぐ運用が課題となる

宮崎県は2026年8月の「人権啓発強調月間」に合わせ、映画上映会、県民人権講座、県内各地の映画祭、児童・生徒の作品募集、インターネット広告などを集中的に実施する。県は1991年、夏休みなどで家族や友人が集まる8月を同月間に定めた。2026年度は、多様な性、障害、部落差別、外国人、SNS上の人権問題を個別の企画で扱い、映画館、公共施設、学校、YouTube、TVerへ啓発の接点を広げる。
宮崎キネマ館では8月23日、映画「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」の無料上映会を開く。古い価値観を持つ会社員が、ゲイの青年との出会いを通じ、家族や周囲の多様な生き方と向き合う作品で、上映後は「フツウって何?」を題にアフタートークを行う。登壇者は宮崎公立大学副学長・人文学部教授の四方由美氏と、宮崎キネマ館支配人の喜田惇郎氏。定員は100人で、応募多数の場合は抽選となる。
「ふれあい映画祭」は7月24日から8月29日まで、日向市、延岡市、都城市、宮崎市など県内18市町村で開催する。上映作品は、障害のある子どもとない子どもが共に育つことを描く16分のアニメ「多様性の芽をはぐくむ③障害」と、110分の「SING/シング:ネクストステージ」。会場ごとに収容人数は50人から1,461人まで異なり、入場はいずれも無料とした。県内の学校に通う児童・生徒を対象とする図画・ポスターと作文の募集は9月7日が提出期限で、受賞作品は作品集やリーフレットなどの啓発資料に活用される。
延岡市カルチャープラザでは8月19日、県民人権講座「部落差別と『出会う』~マイノリティ当事者のみる世界から~」を開く。講師は関西大学人権問題研究室非常勤研究員の澤井未緩氏で、定員は70人。8月中はYouTubeとTVerで「これって変じゃない?」のSNS篇、外国人篇、多様性篇を配信し、県防災庁舎では児童・生徒の作品を展示する。2026年度の人権啓発ポスターは「外国人と人権」を主題とし、市町村や学校などへ配布される。
宮崎県は2022年3月に「宮崎県人権尊重の社会づくり条例」を施行し、県による人権教育・啓発と相談支援体制の整備を定めた。2024年3月策定の「宮崎県人権施策基本方針」も、人権意識の高揚と相談支援を別の施策として掲げている。映画や広告は、差別や固定観念に気づく入口にはなるが、被害を受けた人の相談や救済そのものではない。啓発企画で扱う部落差別、外国人差別、障害、多様な性、インターネット上の人権侵害を、具体的な相談先や制度の情報へ接続できるかが、月間事業の実効性を左右する。
宮崎県人権同和対策課は8月31日までの広告配信、県防災庁舎でのパネル展示、県内各地の上映会を進めるほか、9月7日まで児童・生徒の作品を受け付ける。単発の行事を並べるだけでなく、宮崎県人権啓発センターの資料貸出や人権相談案内と組み合わせ、県民が学習後に必要な情報へ移れる構成が問われる。
宮崎県「8月は人権啓発強調月間です」
URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/jinkendowataisaku/press/2026/07/20260727084403.html
宮崎県人権ホームページ「8/23(日)無料映画上映会&アフタートークを実施します!」
URL:https://www.m-jinken.jp/news/no_000210.html
宮崎県「令和8年度県民人権講座開催のお知らせ」
URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/111271/111271_20260727085826-1.pdf
宮崎県「令和8年度『ふれあい映画祭』開催日程」
URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/111271/111271_20260727090649-1.pdf
宮崎県「宮崎県人権尊重の社会づくり条例について」
URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/jinkendowataisaku/kurashi/jinken/20220304145918.html
宮崎県「宮崎県人権施策基本方針について」
URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/jinkendowataisaku/kurashi/jinken/20240304135346.html

