ヒューマンライツ・ナウ設立20年 国際人権NGOとして活動継続表明

この記事のポイント

1.ヒューマンライツ・ナウが2006年7月の設立から20周年を迎え、国内外の人権侵害に取り組む方針を示した。
2.2012年に国連特別協議資格を取得し、2024年には事実調査や政策提言などの活動が評価され、沖縄平和賞を受賞した。
3.20周年企画では韓国の国家人権委員会を取り上げ、公的機関による人権侵害を独立して調査する制度を検討する。

HRNは20周年

認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は7月29日、設立20周年に当たって今後の活動方針を公表した。HRNは2006年7月28日、法律家、研究者、ジャーナリスト、NGO関係者らによって設立された日本発の国際人権NGOである。新倉修理事長、伊藤和子・後藤弘子両副理事長、小川隆太郎事務局長らは、会員やサポーターへの謝意とともに、国内外の人権侵害に対する調査、政策提言、当事者支援を継続すると表明した。

団体は2008年に特定非営利活動法人となり、2012年に国連経済社会理事会の特別協議資格、2014年に認定NPO法人の認定を取得した。特別協議資格は、国連憲章71条に基づき、NGOが国連経済社会理事会と協議するための制度である。HRNは東京、大阪、ニューヨーク、ジュネーブ、ヤンゴンを拠点として掲げ、事実調査、政策提言、被害を受けた人へのエンパワーメント支援を活動の柱としてきた。

20周年の声明では、直近5年間の活動として、性暴力被害者や支援団体との連携、刑法の性犯罪規定改正、AV出演被害防止・救済法の成立に向けた働きかけ、企業に対する「ビジネスと人権」の普及を挙げた。活動地域もミャンマーなどのアジア諸国から、中東、ロシア・ウクライナへ広がったと説明している。沖縄県は2024年、事実調査、アドボカシー、エンパワーメント支援を通じた平和構築への貢献を評価し、HRNに第12回沖縄平和賞を授与した。

国際人権NGOは、政府や企業に法的命令を出す機関ではない。被害の実態を調査して公表し、国内制度と国際人権基準の隔たりを示し、国会、行政、企業、国連に改善を働きかける役割を担う。公権力や企業が人権侵害の当事者とされる事案では、組織から独立した市民社会の調査が、被害者の声を公的な議論へ接続する経路となる。ただし、提言の信頼性は、調査方法の透明性、事実と評価の区別、資金と運営の独立性によって支えられる。

HRNは現在、国際秩序の動揺、アジア各地における人権活動家への弾圧、日本国内の差別と排外主義を課題として挙げ、政府の政策変更や企業行動の是正を求める方針を示した。20周年企画の第1弾として、8月4日には韓国国家人権委員会の調査実務を学ぶウェビナーを開き、検察、警察、入管など公的機関による人権侵害を独立して調査する国内人権機関について議論する。HRNは設立21年目を、この韓国との制度比較から始める。

出典

ヒューマンライツ・ナウ「HRNは20周年を迎えました。皆様のご支援に感謝申し上げます。」 URL:https://hrn.or.jp/news/29334/
参考 ヒューマンライツ・ナウ「ヒューマンライツ・ナウとは」
URL:https://hrn.or.jp/outline/
参考 沖縄県「第12回沖縄平和賞受賞者 認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ」
URL:https://www.pref.okinawa.jp/heiwakichi/jinken/1008269/1008311/1008322/1031742.html
参考 ヒューマンライツ・ナウ「HRN20周年企画第1弾 韓国の国家人権委員会から学ぶ国内人権機関の実務」
URL:https://hrn.or.jp/news/29290/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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