1.東京都は2026年9月と2027年1月、犯罪や非行からの立ち直りを支えるオンライン研修会を計4回開催する。
2.基礎編では更生保護、都の再犯防止計画、少年院・刑務所出所者の就労支援、保護司活動を取り上げる。
3.応用編は依存症を主題とし、精神保健福祉センター、川越少年刑務所、八王子ダルクの実務担当者が支援方法を解説する。

東京都は2026年9月8日と28日、2027年1月22日と26日の計4回、犯罪や非行からの立ち直り支援を学ぶオンライン研修会を開催する。都内在住・在勤の民間支援機関職員、保護司、民生・児童委員、弁護士、更生保護・福祉・医療・就労・教育・警察・矯正関係者などが対象で、支援に関心のある人も参加できる。各回の定員は先着500人、参加費は無料。申込みは8月8日から専用フォームで受け付ける。
研修は、初めて立ち直り支援を学ぶ人向けの「基礎編」と、一定の知識や経験を持つ支援者向けの「応用編」に分かれる。基礎編は9月8日と2027年1月22日の午後1時30分から3時45分までで、両日とも同じ内容。東京保護観察所統括保護観察官の大平義信氏が、生活環境の調整や保護観察など更生保護の仕組みを説明する。東京都都民安全総合対策本部の髙鳥康広共生社会担当課長は、2024年3月に策定した第二次東京都再犯防止推進計画と都の取組を紹介する。
少年院・刑務所専用求人誌「Chance!!」を発行する株式会社ヒューマン・コメディ代表取締役の三宅晶子氏は、自身の非行経験を踏まえ、求人誌の創刊経緯と出所者の採用支援を解説する。世田谷区の保護司、吉田研一郎氏は、地域で行う更生保護活動と具体的な支援実務を取り上げる。住居や就労、福祉サービスとの接続が不十分な状態は、社会復帰を妨げるだけでなく、孤立や生活困窮を深める要因にもなる。研修は、刑事司法機関だけでなく、地域の民間団体や行政サービスを含む支援体制を扱う。
応用編は9月28日と2027年1月26日の午後1時30分から5時まで開き、「依存症を抱える者の社会復帰支援」を主題とする。東京都立精神保健福祉センター地域援助医長の鮒田栄治氏が、依存症のメカニズム、各種依存症の特性、本人や家族への支援、都内3カ所の精神保健福祉センターの役割を説明する。八王子ダルク代表理事の加藤隆氏は、薬物依存からの回復を支えるプログラムと、当事者を支援する際の留意点を紹介する。
川越少年刑務所の寺田孝教育専門官は、性犯罪による受刑者を対象とした再犯防止指導を解説する。同刑務所では、認知行動療法に基づくグループワークを実施しており、講義では受刑者の特徴や指導プログラムの内容を扱う。性犯罪の再犯防止は、加害者の社会復帰だけでなく、新たな被害を防ぐための施策でもある。被害者の安全と尊厳を基礎に置きながら、処罰後も継続する治療、教育、生活支援をどう構成するかが実務上の課題となる。
警察庁などが用いる「再犯者率」は、刑法犯の検挙人員に占める再犯者の割合であり、出所者の約半数が再び犯罪をするという意味ではない。東京都の資料は再犯者の割合が約5割で高止まりしていると説明するが、再犯防止策を評価する際には、検挙統計の比率と、個人が再び罪を犯す確率を区別して読む必要がある。
犯罪や非行をした人も、刑事処分を終えた後は地域で生活する。前歴を理由に住居、雇用、医療、福祉から一律に排除すれば、社会復帰に必要な基盤を失わせる一方、新たな被害を防ぐという再犯防止の目的にも反する。東京都は、オンライン環境がない参加希望者について、都庁舎で各回最大10人の聴講も受け付ける。9月の基礎編は9月1日、応用編は9月16日を申込期限とし、保護観察、就労、依存症支援、矯正教育をつなぐ支援者研修を進める。
東京都「再犯防止に関するオンライン研修会を開催します!」 URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/07/2026072410
参考資料:東京都都民安全総合対策本部「再犯防止に関する研修会」 URL:https://www.tomin-anzen.metro.tokyo.lg.jp/chian/saihan-boushi/kenshukai
参考資料:東京都「令和8年度 再犯防止に関する研修会」チラシ URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20260724_06_01

