1.東京都医学総合研究所が、認知症治療と本人の主体性を扱う都民講座を9月18日に東京都庁で開催する。
2.新しい治療薬と症状を和らげる薬の違いに加え、治療を本人の生活や希望へどう結び付けるかを解説する。
3.認知症基本法が掲げる意思決定支援と、医療を受ける本人を治療選択の中心に置く考え方に接続する講座となる。

東京都医学総合研究所は2026年9月18日、東京都庁第一本庁舎5階大会議場で、都医学研都民講座「本人の主体性を支える認知症治療の考え方」を開く。東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科科長・教授の東晋二氏が、病気の原因に働きかける新しい治療薬と、症状を和らげる薬の仕組みや違いを一般向けに解説する。講座は午後2時から3時30分まで。参加費は無料で、定員は先着500人となっている。
講演では、薬の医学的な説明だけでなく、治療をその後の暮らしへどう結び付けるかを扱う。東京都医学総合研究所によると、病初期から治療を受け、迷いながら選択を重ねてきた当事者の体験談を手掛かりに、本人の気持ちと家族との関係を支える治療との付き合い方を考える。認知症治療では、薬を使用できるかという医学的判断と、本人がどのような生活を望むかという意思決定を分けずに検討することが課題となる。
2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は、認知症の人が基本的人権を持つ個人として、自らの意思によって日常生活や社会生活を営めるようにすることを基本理念に掲げた。同法第17条は、国と地方公共団体に対し、意思決定の支援、分かりやすい情報提供、権利利益の保護に関する施策を定めている。政府が2024年12月3日に閣議決定した認知症施策推進基本計画も、認知症になってからも希望を持ち、自分らしく暮らせるとする「新しい認知症観」を政策の基礎に置いた。
この制度的な流れから見ると、講座名にある「本人の主体性」は、家族や医療者が本人に代わって治療方針を決めることへの注意を含む。認知機能が低下していることだけを理由に本人の意思を確認せず、周囲の判断を優先すれば、医療を受ける本人が選択過程から外される。本人が理解しやすい方法で治療の効果や負担を説明し、表情、言葉、これまでの暮らし方を含めて意向を確認することが、治療選択と生活支援の接点となる。厚生労働省の意思決定支援ガイドラインも、本人の意思と自己決定の尊重を支援の基本原則としている。
講座への申込みは、東京都医学総合研究所の専用フォームまたは往復はがきで受け付ける。東京都外の居住者も申込み可能で、締切りは9月10日。ただし、先着500人に達した場合は期限前に受付を終える。聴講後にアンケートへ回答した参加者には、東京都公式アプリの登録などを条件として東京ポイント100ポイントが付与される。東京都医学総合研究所は、東晋二氏の講演を通じ、薬の選択と本人の暮らしを切り離さない認知症治療を都庁会場で伝える。
東京都「2026年度 都医学研都民講座(第4回)本人の主体性を支える認知症治療の考え方」
URL:
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/07/2026072301
参考資料
公益財団法人東京都医学総合研究所「2026年度 第4回都民講座『本人の主体性を支える認知症治療の考え方』」
URL:
https://www.igakuken.or.jp/public/tomin/2026/tomin04.html
参考資料
厚生労働省「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」
URL:
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab9328&dataType=0&pageNo=1
参考資料
厚生労働省「認知症施策推進基本計画」
URL:
https://www.mhlw.go.jp/content/001344090.pdf

