外国人住民412万人時代の共生策 かながわ国際交流財団が講演

この記事のポイント

1.かながわ国際交流財団が8月25日、外国人住民との地域づくりを考えるオンラインセミナーを開く。
2.講師は、外国人相談や地域日本語教育に携わるCINGAコーディネーターの新居みどりさん。
3.外国人住民を支援の対象だけでなく、地域社会を構成する担い手として捉える視点を扱う。

新居みどりさん

公益財団法人かながわ国際交流財団は2026年8月25日午後6時30分から8時まで、多文化共生セミナー「多様性豊かな社会とは?―『外国人』とともに生きる、私たちのこれから―」をオンラインで開く。Zoomを使用し、定員は120人、参加費は無料。申込期限は8月22日で、日本で暮らす外国人住民の増加を踏まえ、言語や文化的背景の異なる人々が地域社会を共に担うための課題と取組を考える。

講師は、NPO法人国際活動市民中心(CINGA)コーディネーターの新居みどりさん。早稲田大学大学院文学研究科を修了後、東京外国語大学多言語多文化教育研究センター、国際移住機関(IOM)のコンサルタントを経て、2011年からCINGAで活動している。外国人相談、地域日本語教育、相談員研修などに携わり、行政、国際交流協会、支援団体、専門職をつなぐネットワークづくりを進めてきた。講演では、日本の外国人受入れがどのように進み、地域でどのような対応が行われているかを整理する。

出入国在留管理庁によると、2025年末の在留外国人数は412万5,395人で、前年末から35万6,418人増え、初めて400万人を超えた。神奈川県内でも、2026年1月1日現在の住民基本台帳上の外国人数は30万9,815人に達し、前年から2万4,926人増加した。国・地域は178に及び、中国が8万4,921人、ベトナムが4万3,485人、フィリピンが2万7,627人となっている。国籍や在留資格、来日した経緯が異なる住民を「外国人」という一つの集団として扱わず、それぞれの生活状況を把握する必要がある。

多文化共生は、外国語による案内や交流イベントだけで完結する施策ではない。総務省が2020年に改訂した「地域における多文化共生推進プラン」は、行政・生活情報の多言語化や相談体制、日本語教育に加え、医療、福祉、教育、住宅、防災、労働環境、差別的言動の解消、外国人住民の社会参画を自治体施策の対象としている。行政手続や医療、防災情報にアクセスできない状態は、生命や健康、教育、安定した生活に直接影響するため、情報提供と相談支援は権利を行使するための基盤となる。

外国人住民を労働力や支援対象としてのみ捉えると、自治会、学校、職場、地域活動で意見を述べる機会が見落とされやすい。文化や言語の違いを本人側だけが克服すべき問題とせず、行政や地域組織の仕組みも見直すことが、排除や孤立を防ぐ手段となる。8月25日のセミナーでは、新居みどりさんが全国各地の外国人相談、日本語教育、多言語情報提供の経験を基に、30万人を超える外国人住民が暮らす神奈川県での地域参加のあり方を参加者と検討する。

出典

公益財団法人かながわ国際交流財団「多様性豊かな社会とは?―『外国人』とともに生きる、私たちのこれから―」
URL:https://www.kifjp.org/general/2026-08

出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html

神奈川県「県内の外国人数の調査結果について(令和8年1月1日現在)」
URL:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k2w/prs/r4326653.html

一般財団法人自治体国際化協会「総務省『地域における多文化共生推進プラン』の改訂」
URL:https://www.clair.or.jp/tabunka/portal/column/contents/114742.php

NPO法人国際活動市民中心「新居みどり氏プロフィール」
URL:https://www.cinga.or.jp/7408/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
国際教育
シェアする
タイトルとURLをコピーしました