
内閣府孤独・孤立対策推進室は、2026年5月を「孤独・孤立対策強化月間」として、相談窓口やオンライン空間、地域の取組紹介などを通じた啓発・支援を展開している。特設サイト「あなたはひとりじゃない」では、孤独・孤立は人間関係、健康、家庭、生活困難、環境変化、仕事や学校のストレスなど、日常のさまざまな場面で誰にでも起こり得るものだと説明している。内閣府の調査では、孤独であると感じることが「ある」と答えた人が4割に上るとされ、孤独・孤立を一部の人だけの問題ではなく、社会全体で向き合う課題として示している。
強化月間中は、孤独・孤立相談ダイヤル「#9999」が2026年5月1日午前10時から5月6日午前10時まで開設される。電話相談は24時間・通話料無料で、18歳以下、外国語での相談を希望する人、性別の違和や同性愛に関して話したい人、女性の悩みを話したい人、被災した人、悩みをひとりで抱えている人など、分野別に相談できる。チャット相談は5月1日から5月5日まで、メール相談は5月1日午前10時から5月6日午前10時まで利用できる。約160の相談窓口や支援制度から、自分の状況に合った支援を探せるチャットボットも用意されている。
特設オンライン空間「ぷらっとば~す」では、グループトークルーム、オンラインアートリップ、バーチャルフォトウォーク、孤独・孤立に関する意見募集などが行われる。グループトークでは、「なんでも話せるいばしょ」「少年少女のモヤモヤルーム」「パートナーのモラハラ」「LGBTQ+や自分もそうかもと思う人」「依存について語りたい方の部屋」「発達障がいのあれこれを語る会」「シングルマザーの夜のおしゃべり会」など、多様なテーマが設定されている。個別相談ではなく、同じ悩みや近い経験を持つ人が、ファシリテーターの案内のもとで語り合う場として設計されている点が特徴である。
制度的な背景には、2024年4月に施行された孤独・孤立対策推進法がある。同法は、国と地方公共団体において孤独・孤立対策を総合的に推進するため、基本理念、国等の責務、施策の基本事項、推進体制などを定めるものとされる。強化月間は、孤独・孤立になっても助けを求める声を上げやすく、また周囲が声をかけやすい社会をつくるため、行政、NPO、地域、企業などが連携して取組や支援活動を行う期間として位置付けられている。
人権の観点から重要なのは、孤独・孤立を「本人の性格」や「自己責任」として扱わないことである。孤独・孤立は、生活困窮、子育て、介護、障害、病気、被災、いじめ、ハラスメント、失業、外国人住民の情報格差、性的少数者の孤立など、複数の人権課題と重なりやすい。相談窓口やオンラインの居場所を複数用意することは、福祉や医療、教育、労働、法律相談へつながる前段階の支援として意味を持つ。今後は、月間中の啓発を一過性に終わらせず、地方公共団体、学校、職場、地域団体が日常的に孤立のサインに気付き、必要な支援へつなげる仕組みを整えられるかが問われる。
内閣府孤独・孤立対策推進室
URL:https://www.notalone-cao.go.jp/main-monthly/

