愛媛県、若者向けデートDV・性暴力防止講座を実施

愛媛県DV啓発資料

愛媛県は、県内の中学生、高校生、大学生、短期大学生、教職員等を対象に、「子ども・若者等デートDV・性暴力防止啓発講座・研修」への講師派遣を行っている。県は、配偶者やパートナーなど親密な関係にある男女間の暴力であるDVについて、男女共同参画社会の実現を阻害する要因の一つと位置付け、若年層からの啓発が有用だとしている。県内で実施する場合、派遣講師の謝金と旅費は県が負担し、学校からの申込みに加え、PTAからの申込みも受け付けている。

同事業は、若者が将来にわたりDVの加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないよう、デートDVや性暴力の防止について学ぶ機会を提供するものだ。交際関係における暴力は、身体的暴力だけでなく、言葉による支配、行動の監視、性的同意を無視した行為、SNSやスマートフォンを介した画像の要求・拡散など、多様な形で現れる。特に若年層では、相手を束縛する行為を「愛情表現」と誤認したり、被害を受けても相談をためらったりする場合があり、早い段階で対等な関係性と人権尊重を学ぶことが重要となる。

県は、若年層を対象に、男女が対等な立場で互いの人権を尊重することや、ジェンダー平等について考える機会を提供するとしている。これは、性暴力防止を単なる危険回避教育として扱うのではなく、相手の意思を尊重すること、同意のない行為は許されないこと、支配や威圧を伴う関係は人権侵害であることを学ぶ教育として位置付けられる。学校現場にとっても、恋愛や性に関する問題を個人間のトラブルとして片付けず、こども・若者の安全と尊厳を守る課題として扱う契機となる。

また、同事業では、教職員を対象とした研修にも講師を派遣する。デートDVや性暴力が起こるメカニズムを理解し、学校内で暴力が起きた際の支援体制を考えることは、被害の早期発見と二次被害の防止に直結する。被害を打ち明けた生徒に対し、教職員が不用意に責任を問う言葉を発したり、本人の意思に反して対応を進めたりすれば、被害者の孤立を深めるおそれがある。研修を通じて、相談を受けた際の初動対応、外部相談機関との連携、プライバシー保護を確認することが求められる。

人権の観点からは、デートDV・性暴力防止は、こども・若者が自分の身体と意思を尊重される権利を学ぶ取組である。学校、家庭、PTAが講座を活用することで、被害を受けたときに「相談してよい」と理解できる環境づくりにもつながる。愛媛県の講師派遣事業は、若年層への予防教育と教職員の支援力向上を一体で進めるものであり、学校現場には、講座後も継続して相談窓口の周知や安心して話せる関係づくりを進めることが求められる。

出典

愛媛県「子ども・若者等デートDV・性暴力防止啓発講座・研修(中学生・高校生・学生・教職員)」
URL:https://www.pref.ehime.jp/page/7022.html

タイトルとURLをコピーしました