海外ルーツ動画企画、ユースが対話ルール策定 シーライツ

この記事のポイント

1.国際子ども権利センターが、海外ルーツの子どもとアライの声を動画で発信するプロジェクトを進めている。
2.高校生・大学生のユースメンバーが、ウェルビーイングカードを使って活動上の価値観と対話のルールを話し合った。
3.当事者の声を扱う活動では、参加しやすさだけでなく、発言しない選択や個人情報を守る仕組みも欠かせない。

シーライツ・ユースメンバーとチームビルディングのワークショップ

認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights、シーライツ)は6月7日、高校生と大学生のユースメンバーによる第1回対面ミーティングを開いた。2026年度に進める「No ヘイト/Yes 共生~みんなでつくる海外ルーツ&アライ動画プロジェクト」の一環で、一般社団法人Everybeing共同代表の西崎萌氏を講師に迎え、メンバー同士の関係づくりと活動上のルールを考えるワークショップを実施した。

プロジェクトは、日本で暮らす海外ルーツの子どもや、差別に反対して当事者と行動する「アライ」の経験、思いをショート動画として全国から募る。ヘイトや差別を見過ごさず、沈黙しない関係を広げることが目的で、公益財団法人パブリックリソース財団の「Y’sファンド D&I基金」の助成を受ける。運営の中心はシーライツに関わる高校生・大学生で、週1回のオンライン会議と月1回の対面会議を重ねている。

6月7日のワークショップでは、言葉や絵が描かれたウェルビーイングカードを使い、自分が大切にしたいことと、チームとして守りたいことを出し合った。その内容を基に、安心して活動するためのグランドルールをメンバー自身が検討した。対面で初めて会う参加者もいる中、活動の目的だけでなく、意見の違いをどう扱うか、発言しやすい場をどうつくるかを先に共有した点が特徴となる。

参加した大学生の司馬果穂さんは、普段は意見を話すことが得意ではないものの、話し合いとルールづくりを通じて積極的に発言できたと振り返った。施宇鴻さんは、同じカードを選んだ人同士でも理由や説明が異なることから、経験や価値観の多様性を実感したと述べた。シーライツは、今回参加できなかったメンバーや今後加わるメンバーともルールを共有し、必要に応じて更新する方針を示している。

子どもや若者の参加は、会議に出席させたり、意見を一度聞いたりするだけでは成立しない。発言によって不利益を受けないこと、意見が活動にどう反映されたかを確認できること、参加しない選択も保障されることが必要になる。とりわけ海外ルーツや差別経験を動画で扱う場合、本人が望まない出自や経験の開示、映像からの特定、差別的な反応の再拡散を防ぐ対応が伴う。

シーライツは、全事業を「子ども・若者のセーフガーディング」に基づいて実施するとしている。動画の応募方法、公開範囲、削除や撤回の手順、差別的反応が寄せられた場合の対応を、ユースメンバーとともに具体化できるかが次の段階となる。6月7日に作成したグランドルールは、「No ヘイト/Yes 共生」プロジェクトで子どもや若者の声を安全に社会へ届けるための基礎となる。

出典

国際子ども権利センター「シーライツ・ユースメンバーとチームビルディングのワークショップを開催しました!」
URL:https://c-rights.org/kyouprows_260607/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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