1.徳島県教育委員会が、令和8年度の人権教育指導員40人の名簿を公開した。
2.学校や市町村教育委員会の研修に派遣し、1回2時間、同一団体への派遣は年間3回までとする。
3.同和問題、子ども、障がい、性的マイノリティ、インターネット上の人権侵害など、多様な課題を扱う。

徳島県教育委員会は4月17日、令和8年度の「徳島県人権教育指導員」名簿と派遣手続を公開した。県内の学校や市町村教育委員会が実施する研修会などへ専門的な知識や当事者としての経験を持つ指導員を派遣し、「徳島県人権教育推進方針」に基づく教育を支援する制度で、「いのちを守る講師派遣事業」も含まれる。令和8年度名簿には、4月1日現在で40人が掲載されている。
派遣対象は、文部科学省や徳島県教育委員会の指定事業、県教委が実施する人権教育関係事業、学校や市町村教育委員会が開く研修会など。1回当たりの指導時間は2時間で、同一の学校、市町村教育委員会などへの派遣は年間3回を上限とする。指導員への謝金と旅費は、県教委人権教育課が基準に沿って負担する。
名簿に記載された研修テーマは広い。同和問題、部落史、識字問題をはじめ、児童虐待、いじめ、ヤングケアラー、外国人、北朝鮮による拉致問題、高齢者、犯罪被害者、刑務所出所者、ホームレス、災害時の人権問題などが並ぶ。障がい分野では、知的・発達障がいへの理解や盲導犬ユーザーの経験を扱う。性的マイノリティ、LGBTQ+、ジェンダー平等、包括的性教育、生命の安全教育、アンコンシャス・バイアス、インターネット上の人権侵害をテーマとする指導員も選任された。
派遣を希望する学校などは、初めに県教委人権教育課へ連絡し、派遣の可否や内容について協議する。その後、指導員本人と日程、研修内容を調整し、派遣申請書を人権教育課へ、派遣依頼書を指導員へ提出する。事前協議は原則として12月末まで。講演や研修の終了後7日以内に、実施報告書を人権教育課へ提出する手順となっている。
人権研修は、制度名や差別用語の知識を伝えるだけでは十分ではない。例えば、児童虐待、障がい、性的指向・性自認、部落差別などは、扱い方によっては参加者に当事者性の表明を迫ったり、偏見を再生産したりするおそれがある。テーマに応じた指導員を選び、研修の目的、参加者の構成、使用する事例、個人情報への配慮を事前に協議する仕組みは、研修による二次的な人権侵害を防ぐうえでも必要となる。
企業、NPO法人、自治会、ボランティア団体、自主サークルなどは、この制度ではなく、徳島県立人権教育啓発推進センター「あいぽーと徳島」の人権問題講師派遣を利用する。学校や市町村教育委員会は、40人の専門分野を校内の実情と照合し、人権教育課との事前協議を経て、令和8年度の研修内容を具体化することになる。
徳島県教育委員会「『徳島県人権教育指導員』について」
URL:https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/gakkokyoiku/7303569/

