1 人権教育啓発推進センターが、法務省委託による「人権に関する意識調査」の実施事業者を入札で選定する。
2 公開資料には仕様書、個人情報取扱特記事項、入札書などが含まれ、仕様書別紙は参加希望者に提供される。
3 人権意識の調査では、回答者の匿名性に加え、標本の代表性や質問文の中立性が結果の信頼性を左右する。

公益財団法人人権教育啓発推進センターは、令和8年度法務省委託「人権に関する意識調査」の実施業務について、入札手続きを開始した。公開ページには仕様書、個人情報取扱特記事項、入札書などが掲載されている。調査内容の詳細を記した仕様書別紙は、入札への参加を希望する事業者に限って提供する。
今回の公表は調査結果ではなく、調査の実施を担う事業者を決めるための調達情報に当たる。一般的な人権意識調査では、調査票の作成・配布、回答の回収、データ入力、集計、分析、報告書作成などが業務に含まれるが、今回の調査対象、標本数、回答方法、設問分野については、公開された仕様書の内容に基づいて確認する必要がある。人権教育啓発推進センターは、これまでも人権問題に関する意識調査や実態調査を事業として実施している。
国による人権意識の把握例としては、内閣府が2022年8月に実施した「人権擁護に関する世論調査」がある。全国の18歳以上の日本国籍を有する3,000人を対象とし、1,556人から有効回答を得た。調査結果は、人権問題への関心、被害経験、個別の人権課題に対する認識などを把握し、その後の施策や啓発資料を検討する際の資料として使われている。
人権を扱う意識調査では、回答者の氏名や属性情報を適切に管理するだけでは足りない。対象者の抽出方法に偏りがないか、特定の回答へ誘導する質問になっていないか、過去の調査と比較できる設計かといった点も検証対象となる。法務省が実施した部落差別に関する過去の調査研究でも、新たな差別を生まない質問項目、誘導を避けた設問、適切な標本抽出、経年比較ができる設計などが留意事項として示された。
今回の入札では個人情報取扱特記事項が独立した資料として示されている。人権教育啓発推進センターと受託事業者には、回答者を保護しながら、人権施策の検討に利用できる精度で調査結果を整理する実務が課される。
公益財団法人人権教育啓発推進センター「令和8年度法務省委託人権に関する意識調査の実施業務に係る入札」
URL:http://www.jinken.or.jp/archives/30624
出典 内閣府「人権擁護に関する世論調査(令和4年8月調査)」
URL:https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-jinken/

