東京電力HD、人権デューディリジェンスを拡充 サプライチェーン対応を契約条項に反映

人権デュー・ディリジェンスのイメージ画像

東京電力ホールディングスは、事業活動の全ての局面で人権を尊重するとの考えの下、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューディリジェンス(DD)の仕組みを構築している。優先的に対応する範囲として、自社の従業員・事業、連結子会社、サプライヤーを掲げ、人権方針に記載した課題を軸に人権影響評価とエンゲージメントを進めている。

自社の従業員に関する人権影響評価では、社外専門家の助言を受けつつ、社内ルール、意識調査、過去の訴訟事案、人権相談・通報内容などを分析した結果、「ハラスメント」「労働時間」「個人情報の適正な管理」の3項目を特に負の影響が大きい重要課題と位置付けた。事業面では、国際規範に基づくセルフアセスメントと外部専門家のインタビューを組み合わせて評価を行っており、2024年度は持株会社と基幹事業会社の本社組織を対象に実施率56.0%、2025年度は第一線職場を含めた100%実施を目指すとしている。

連結子会社に対しては、主要38社を対象に人権尊重セルフアセスメントを進め、2022年度から優先順位を付けた個別インタビューを実施し、2024年度には各社の実施計画策定と持株会社によるモニタリングを開始した。サプライヤーについては、2022年5月に「サステナブル調達ガイドライン」を策定し、確認書の提出やアンケートで対応状況を把握してきたほか、2024年度からは契約条項に人権に関する遵守事項を盛り込み、受注者に指導原則の遵守と自らのサプライチェーンにおける人権DDの実施を求めている。2023年度と2024年度の調達アンケートには各約650社が回答した。電力大手が人権課題を労務管理にとどめず、調達や海外事業を含むバリューチェーン全体の管理へ広げている点は、国内企業の「ビジネスと人権」対応の実務化を示す動きとして注目される。

出典

東京電力ホールディングス株式会社
URL:https://www.tepco.co.jp/about/esg/social/hrights/dd-j.html

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