徳島県、映画上映と研修で無意識の偏見を考える

徳島県立男女共同参画総合支援センター「パーク テレコメディア」は、令和8年7月16日午後1時30分から3時35分まで、徳島市のテレコメディアホール(アスティとくしま2階)で、フレアシネマ劇場「正体」を開催する。第1部では徳島県女性協議会からのお知らせとして、研修「アンコンシャスバイアスについて考える」を実施し、第2部で映画「正体」を上映する。参加費は無料、対象は一般、申込みは不要で、定員は100人。上映は日本語字幕付きで、館内にはヒアリングループも設置される。託児は無料で、利用希望者は講座の2日前までにこども室へ問い合わせる必要がある。

今回の企画は、映画上映を通じた啓発事業であると同時に、無意識の思い込みや偏見を自覚する機会として位置付けられる。上映作品「正体」は、殺人事件の死刑囚が脱走し、変装しながら各地で潜伏するなか、出会った人々が語る人物像の違いを通じて、逃亡の目的や本人の姿が明らかになっていく物語である。人は肩書、過去の情報、報道、外見、周囲の評価によって他者を判断しがちであり、その判断が本人の実像とずれることもある。アンコンシャスバイアスをテーマにした研修と組み合わせることで、参加者が日常生活や職場、地域活動における先入観を考える構成となっている。

男女共同参画や人権啓発の分野では、制度や法律の知識を学ぶ講座だけでなく、映画や物語を通じて自分自身の受け止め方を振り返る手法も重視されている。偏見は、必ずしも明確な差別意識として表れるとは限らない。性別役割分担、家族観、職業観、障害や病気への見方、犯罪歴のある人やその家族へのまなざしなど、社会の中にある固定的なイメージが、本人の尊厳や選択の幅を狭めることがある。今回のような一般向け事業は、専門的な研修に参加する機会が少ない人にも、身近な題材から人権課題を考えてもらう入口となる。

また、日本語字幕やヒアリングループ、託児の用意は、啓発事業への参加機会を広げる上で重要である。聴覚に障害のある人、子育て中の人、高齢者などが参加しやすい環境を整えることは、単なる利便性の向上ではなく、学習機会へのアクセスを保障する取組でもある。人権啓発は、内容だけでなく、誰が参加できる設計になっているかが問われる。今回の企画は、映画を通じて偏見を考えるだけでなく、参加しやすい場づくりそのものを通じて、地域における包摂的な学習環境のあり方を示すものといえる。

徳島県フレアシネマ正体
出典

パーク テレコメディア(徳島県立男女共同参画総合支援センター)「令和8年7月16日(木)開催 フレアシネマ劇場『正体』」
URL:https://www.pref.tokushima.lg.jp/flair/event/kyousai/7312849

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