川崎市「朝の居場所」5区へ拡大、児童79.3%が毎日利用希望

この記事のポイント

1.川崎市が9月14日から下小田中小・百合丘小でも「朝の居場所づくり」を開始
2.先行3校では児童の79.3%が「毎日来たい」、保護者の81.0%が子ども自身の希望で利用と回答
3.市内全115小学校への拡大を予定し、安全確保だけでなく子どもの意思をどう反映するかも検証点

川崎市役所の画像

川崎市は2026年9月14日から、中原区の市立下小田中小学校と麻生区の市立百合丘小学校で、小学生の「朝の居場所づくり」モデル事業を始める。学校課業日の午前7時30分頃から8時15分頃まで、在籍する全児童を登録不要・無料で受け入れ、読書、学習、スタッフとの会話などをして過ごせる場を設ける。7月に始まった幸区、高津区、宮前区の3校に続くもので、モデル実施は5区に広がる。

事業の背景には、始業前の時間に子どもだけで過ごす家庭や、校門が開くまで屋外で待つ児童への安全上の課題がある。運営主体は学校ごとに異なり、下小田中小学校ではPTAのOB、町内会・老人クラブ、卒業生の大学生などでつくる実行委員会が担う。百合丘小学校ではNPO法人麻生区ソーシャルデザインセンターが運営し、同校卒業生の大学生も参加する予定だ。学校施設を使いつつ、地域人材が見守る設計になっている。

先行3校の7月6日から17日までの平均利用者数は、新小倉小学校50.8人、久本小学校25.9人、犬蔵小学校32.1人だった。児童へのシールアンケートでは、利用理由として「読書」が53.2%、「学習や宿題」が27.3%。今後も「毎日来たい」が79.3%、「たまに来たい」が20.7%で、「あまり来たくない」は0%だった。保護者42人への調査でも、81.0%が「子ども自身が行ってみたいと言った」と回答している。保護者の就労事情への対応だけではなく、児童自身が活動場所として選んでいる側面が数字に表れている。

同時に、制度評価では利用者数だけを見ると実態を取り違えるおそれがある。保護者調査では23.8%が「子どもだけで過ごす時間があり、不安がある」と回答し、利用への安心感について92.9%が「安心して利用させている」とした。朝の居場所には、家庭の就労事情への対応、登校時の安全確保、子どもの自主的な読書・学習という複数の機能が重なっている。全校展開に向けては、利用しない児童を含めて選択が尊重されるか、運営人材を継続して確保できるか、学校ごとの地域条件に対応できるかも確認事項となる。

川崎市は2026年度に各区1校でモデル実施し、10月頃をめどに川崎区と多摩区でも開始した後、市内全115市立小学校への設置を順次進める方針を示している。先行3校の調査は実施開始から約2週間の結果であり、長期利用後の変化までは示していない。市が全校化を判断する際には、利用人数だけでなく、子どもの安全、本人の利用意向、地域運営の継続性を追跡することが、モデル事業を本格制度へ移す際の判断材料となる。

出典

川崎市「小学生の『朝の居場所づくり』モデル事業を中原区・麻生区でも開始します」
URL: https://www.city.kawasaki.jp/templates/prs/880/0000189656.html

川崎市教育委員会 報道発表資料
URL: https://www.city.kawasaki.jp/templates/prs/cmsfiles/contents/0000189/189656/0827pressrelease.pdf

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人権ニュース編集部

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