1.滋賀県が8月30日の滋賀レイクス戦で視覚障害者向けリアルタイム音声実況を実施する
2.2024年のバレーボールで県内初の実証を始め、2025年にも継続、今回はバスケットボールへ対象を広げた
3.個別の合理的配慮だけでなく、最初から多くの観客が利用できる情報環境をどう整えるかという課題につながる
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滋賀県は8月30日、プロシードアリーナHIKONEで行われる滋賀レイクス対琉球ゴールデンキングスのプレシーズンゲームで、視覚障害のある観客を対象とするリアルタイム音声実況を実施する。試合や選手の動きを実況し、インターネット配信システム「Plat Cast」を通じてスマートフォンから聞けるようにする。滋賀レイクスが協力し、午後2時5分の試合開始に合わせて運用する。
今回だけを見れば、一試合のアクセシビリティ対応に見える。しかし滋賀県は2024年6月、同じプロシードアリーナHIKONEで開催された女子バレーボール大会でPlat Castによる実況を県内で初めて実証している。県によれば、バレーボール大会で同システムを使った取組としては全国初だった。2025年2月にもYMITアリーナでSVリーグの東レアローズ滋賀対SAGA久光スプリングス戦で実証を行い、利用者の意見を確認してきた。
2024年の実証時、滋賀県は得られた意見を国スポ・障スポや他のスポーツ観戦へ生かす方針を示し、バスケットボールや野球などへの展開も検討対象として挙げていた。2026年の滋賀レイクス戦は、その時点で示されていた「別競技への展開」が実際にバスケットボールへ広がった事例になる。技術の試用だけでなく、ボールの動きや展開速度が異なる競技でも実況による情報保障が機能するかを確かめる段階に入ったといえる。
制度面では、2024年4月から事業者による合理的配慮の提供が障害者差別解消法上の義務となった。合理的配慮は、障害のある人から社会的障壁の除去を必要としている旨が伝えられた場合に、個別の状況に応じて対応する仕組みである。これに対し、試合会場全体で利用できる実況サービスをあらかじめ準備することは、個別対応だけでなく情報へアクセスしやすい環境そのものを広げる取組でもある。音声実況を用意したから他の合理的配慮が不要になるわけではなく、両者は同一ではない。
滋賀県の取組は、2024年の一回限りの実証ではなく、2025年の再実施を経て2026年に競技をバスケットボールへ広げている。8月30日の滋賀レイクス戦で利用者から得る情報は、Plat Castを特定競技の特別企画として終わらせるのか、複数競技で使える観戦環境として展開できるのかを判断する資料となる。
滋賀県「視覚障害者のスポーツ観戦における情報保障の取組」
URL:https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/352154.html
滋賀県「視覚障害者向けリアルタイム実況実証」
URL:https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/bosyuu/338092.html
内閣府「合理的配慮の提供」
URL:https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo2/leaflet1.pdf

