山梨県庁をオレンジ色にライトアップ 9月21日は「認知症の日」 認知症基本法が目指す共生社会とは

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この記事のポイント

① 山梨県は9月18~24日、県庁別館などを認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色にライトアップする。
② 認知症基本法により、日本では9月21日が法律上の「認知症の日」、9月全体が「認知症月間」と定められている。
③ 現在の認知症政策は「認知症にならないこと」だけを目指すのではなく、認知症になっても本人の意思と尊厳が尊重され、地域で生活できる「共生」を重視している。

山梨県の世界アルツハイマーデーに合わせたライトアップ
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1.県庁別館などを7日間ライトアップ

山梨県は、世界アルツハイマーデーと認知症月間に合わせ、2026年9月18日から24日まで県庁別館などをオレンジ色にライトアップします。

初日の18日午後6時には、「認知症の人と家族の会」と連携して点灯式を開催します。

目的は、認知症についての正しい理解を県民に広めることです。

2.9月21日は法律上も「認知症の日」

9月21日は、1994年に国際アルツハイマー病協会とWHOが始めた「世界アルツハイマーデー」です。

日本ではさらに、2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」によって、9月21日を「認知症の日」、9月1~30日を「認知症月間」と法律で定めました。

国と自治体には、この期間に趣旨にふさわしい啓発事業などを実施・奨励することが求められています。

山梨県のライトアップもその一環です。

3.なぜオレンジ色なのか

オレンジ色は、日本における認知症支援・啓発のシンボルカラーとして広く用いられています。

建物をライトアップする目的は、それ自体で認知症の課題を解決することではありません。

街中で目にするきっかけをつくり、

「なぜオレンジ色なのか」

「認知症の日とは何なのか」

「自分の家族にも関係するのではないか」

と考えてもらうことに意味があります。

4.認知症基本法が変えようとしているもの

認知症基本法の正式名称は、

「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」

です。

名称そのものに「共生社会」が入っています。

法律の考え方で重要なのは、認知症を、

「できないことが増える病気」

「介護される人の問題」

だけとして扱わないことです。

本人の意思や尊厳を尊重し、認知症になってからも希望を持って生活できる社会をつくることが基本理念となっています。

5.「支える側」と「支えられる側」に分けない

従来の認知症施策では、家族や介護者が本人を「支える」という構図が強調されがちでした。

もちろん介護や医療の支援は重要です。

しかし現在の政策では、認知症本人を政策の対象として一方的に支援するだけではなく、本人自身の意見を施策へ反映する考え方が重視されています。

2024年12月に閣議決定された「認知症施策推進基本計画」でも、「本人の声」を起点とする施策が柱の一つとなっています。

6.スーパーや銀行、交通機関にも関係する

認知症基本法は行政や介護事業者だけを対象にした法律ではありません。

第7条は、公共交通、金融機関、小売業者など、日常生活を支えるサービス提供事業者に対し、認知症の人への必要かつ合理的な配慮に努めることを求めています。

例えば、

買い物。

銀行手続き。

バスや電車での移動。

行政手続き。

こうした日常生活の場で認知症を理由に利用が困難になれば、地域で暮らし続けること自体が難しくなります。

認知症施策は介護保険制度の中だけの話ではないのです。

7.「正しく理解する」とはどういうことか

認知症への理解促進というと、症状を学ぶことが中心になりがちです。

もちろん症状を知ることは重要です。

しかしそれだけではありません。

本人が何を望んでいるかを聞く。

本人抜きで家族だけと話を進めない。

すべての判断能力が失われたと決めつけない。

できることまで周囲が奪わない。

こうした接し方も人権保障に関係します。

認知症基本法第8条も、国民に対して認知症と認知症の人について正しい理解を深めるよう求めています。

オレンジ色に照らされた県庁を見ることを、単なる啓発イベントで終わらせず、「認知症になっても自分らしく暮らせる地域とは何か」を考える入口にできるかが重要です。

出典

山梨県「世界アルツハイマーデーに合わせたライトアップの実施について」
https://www.pref.yamanashi.jp/release/chouju/0809/raitoappu_chouju.html

厚生労働省「認知症の日/認知症月間(世界アルツハイマーデー/世界アルツハイマー月間)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/alzheimerday2026_00004.html

e-Gov法令検索「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC1000000065

厚生労働省「認知症施策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html

関連用語

認知症基本法
認知症本人を含め、すべての人が支え合いながら共生する社会の実現を目的とする法律。2024年1月施行。
https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC1000000065

認知症の日
毎年9月21日。認知症基本法第9条で定められている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/alzheimerday2026_00004.html

認知症月間
毎年9月1~30日。認知症への関心と理解を深めるため、全国各地で啓発活動などが行われる。

認知症施策推進基本計画
認知症基本法に基づく国の基本計画。本人の意思や参画を重視する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html

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人権ニュース編集部

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