甲府市、DV・デートDV講座 恋人間の支配と法の保護範囲を整理

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この記事のポイント

1.甲府市が11月10日、DVとデートDVの基礎知識や実態を学ぶ講座を市役所で開催する。
2.殴る、蹴るだけでなく、相手の行動や交友関係を支配する関係も、被害者の自己決定を奪う問題として捉える必要がある。
3.一般に「デートDV」と呼ばれる被害と、配偶者暴力防止法が直接適用される範囲は完全には一致せず、法律の対象外であっても被害そのものが否定されるわけではない。

甲府市のDV・デートDV基礎講座
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11月10日にDV・デートDV基礎講座

甲府市は11月10日午後1時50分から3時まで、市役所本庁舎6階大会議室で「DV・デートDV基礎講座」を開催する。NPO法人エンパワメントアフロッキー代表理事の望月理子氏が講師を務め、DVとデートDVの基礎知識や実態を解説する。市内外を問わず参加でき、定員は約10人、参加無料。申し込みは11月4日まで受け付ける。

甲府市はDVを「性別に基づく暴力」であり、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害として説明している。DVは殴る、蹴るといった身体的暴力だけではなく、精神的、性的、経済的な支配など多様な形を取り得る。交際関係で起きるデートDVでも、身体に傷がなくても相手の意思決定や行動を継続的に制限する関係は、対等な恋愛関係とは異なる。

「心配だから」「好きだから」が支配を正当化しない

恋人同士では、相手の予定を細かく把握する、交友関係に口を出す、連絡への即時返信を要求するといった行動が「愛情」や「心配」と解釈されることがある。しかし、それを断れば怒られる、別れをほのめかされる、恐怖を感じるため従わざるを得ない状態になれば、問題は単なる恋人同士のルールではなくなる。

人権上の核心は、一つ一つの言葉が強いかどうかだけではなく、相手が自分の友人、時間、外出、身体、性的行為について自由に決められる状態が保たれているかにある。暴力を身体的な攻撃だけに限定すると、支配関係が長く続いた後でなければ「被害」と認識できない可能性がある。基礎講座には、深刻な危害に至る前に関係の不均衡へ気付く役割もある。

「デートDV」と配偶者暴力防止法は同義ではない

制度上はさらに注意が必要になる。一般的な啓発で使われる「デートDV」は、恋人間で起きる暴力や支配を幅広く指す。一方、配偶者暴力防止法では法律婚や事実婚の配偶者に加え、「生活の本拠を共にする交際相手」についても一定の保護対象としている。したがって、同居していない交際相手によるすべてのデートDVが同法の保護命令制度へそのままつながるわけではない。

この違いを「法律の対象外ならDVではない」と理解してはならない。暴行、脅迫、ストーカー行為などについては事案に応じて別の法律が関係し、相談支援も利用できる。制度ごとの適用範囲が違うことと、被害を受けた人が支援を必要としていることは分けて考える必要がある。

若年層ほど「これは相談してよい被害か」で迷う

交際経験が少ない若者では、束縛や監視を恋愛関係の普通の姿だと受け止めたり、相談すると交際相手を「悪者」にしてしまうと感じたりして、被害を言葉にできないことも考えられる。支援側には、最初から「DVです」と本人に認めさせるのではなく、何に困り、何を怖いと感じているのかから相談を始められる環境が必要になる。

甲府市の11月10日の講座は、DVという法律・社会用語を学ぶだけでなく、恋愛関係の中でも相手の自己決定を尊重することを考える場となる。法律上の保護対象の境界を正しく伝えながら、その境界の外にいる被害者を「制度の対象外だから支援も不要」としないことが、デートDV対策の実務上の課題となる。

出典

甲府市「DV・デートDV基礎講座」
URL: https://www.city.kofu.yamanashi.jp/danjo/r8gakushukai.html

内閣府男女共同参画局「配偶者暴力防止法の対象」
URL: https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/law/dv2507.html

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人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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