山口県、里親制度説明会「里親カフェ」を4月開催

山口県は、里親制度への理解促進と新たな担い手確保を目的に、里親制度説明会「里親カフェ」を4月に開催した。実施主体は、里親支援センター「里親養育サポートセンター れりーふ」。4月18日は防府市の「あん。ぼぬーる」、4月21日は下松市の「Sai Coffee Roastery」で、いずれも午後2時から午後3時30分まで行われ、里親制度に関する相談対応や里親体験談の紹介が実施された。参加費は無料で、事前の電話申込みにより参加できる形式とされた。

里親制度は、親の病気、虐待、家庭環境上の事情などにより、家庭で暮らすことが難しい子どもを、一定期間または継続的に家庭へ迎え入れて養育する児童福祉法上の制度である。施設養護が必要な場合もある一方、子どもが特定の大人との安定した関係の中で生活し、日常的な家庭経験を積むことには大きな意味がある。今回の「里親カフェ」は、制度説明会を行政施設ではなく地域のカフェで開くことにより、関心はあるものの相談窓口に足を運びにくい人が、より気軽に制度へ触れられる機会として位置づけられる。

山口県の案内では、里親の区分として、家庭で生活できない子どもを必要な期間養育する「養育里親」、虐待を受けた子どもや障害のある子どもなど特に支援を必要とする子どもを養育する「専門里親」、養子縁組を前提に養育する「養子縁組里親」、両親の死亡等により養育できない子どもを祖父母等の親族が引き取る「親族里親」が示されている。里親登録を希望する場合は、申請後、家庭訪問等による調査や研修受講を経て、県の里親名簿に登録される。県内の里親登録数は、令和8年4月1日現在で252世帯とされている。

人権の観点から見ると、里親制度は単なる福祉施策ではなく、子どもが安全で安定した環境で育つ権利を支える社会的養護の仕組みである。虐待や貧困、保護者の病気などにより家庭から離れざるを得ない子どもにとって、生活の場がどのように確保されるかは、教育機会、心身の発達、将来の自立に深く関わる。一方で、里親には子どもの背景を理解し、実親との関係、学校や医療機関との連携、トラウマへの配慮など、継続的な支援を必要とする場面も多い。

そのため、担い手を増やすだけでなく、登録前の理解促進、登録後の相談支援、レスパイト、研修、地域の見守り体制を整えることが不可欠である。山口県が5月以降や他地域での開催についても決まり次第案内するとしている点は、制度を一部地域の関心層に限らず、県内各地へ広げる取組として重要である。里親制度を知る機会が増えることは、子どもを社会全体で育てるという意識を地域に根づかせる第一歩となる。

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