
7月30日は人身取引反対世界デーである。2013年の国連総会決議により指定され、人身取引の被害者の状況への認識を高め、権利の保護を促すことを目的としている。性的搾取、強制労働、犯罪への強要、臓器摘出など、人身取引は現代社会に残る重大な人権侵害である。
人身取引は、国境を越える組織犯罪として扱われるだけでなく、貧困、移住、紛争、ジェンダー不平等、労働搾取と結び付いている。被害者は、恐怖、借金、在留資格、言語の壁、加害者からの支配により、被害を訴えにくい状況に置かれることが多い。日本でも、外国人労働者、技能実習、性産業、児童の性的搾取などとの関連で注意が必要である。
人権の観点では、被害者を不法滞在者や犯罪関与者としてだけ見るのではなく、搾取から保護されるべき人として捉える必要がある。行政、警察、入管、労働関係機関、福祉団体は、被害の兆候を早期に把握し、安全確保と支援につなげる責任がある。7月30日は、搾取を見えにくくする社会構造を点検する日である。
