三重県、部落差別解消条例の第3回検討会 7月23日非公開開催

この記事のポイント

1.三重県が7月23日、「部落差別解消条例(仮称)」の制定と既存の人権条例改正を検討する第3回会合を開く。
2.新条例では、身元調査・土地調査、差別を助長する情報発信の禁止、県による調査・指導・勧告などが検討されている。
3.会議は非公開で、県は2026年12月のパブリックコメント、2027年9月の条例案提出を予定する。

三重県のイメージ図

三重県は2026年7月23日午前10時から、第3回「部落差別解消条例(仮称)」制定等に向けた検討会を、津市栄町の三重県合同ビルで開く。議題は、新条例の制定と、2022年施行の「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」の改正。会議は非公開で、報道機関も冒頭部分のみ傍聴できる。県は、議事で非開示情報を扱うため、検討会設置要綱第7条に基づく措置としている。

検討会は2025年11月25日に設置され、委員は5人。田中亜紀子・三重大学人文学部教授を座長とし、阿久澤麻理子・大阪公立大学大学院経営学研究科教授、金子匡良・法政大学法学部教授、松岡克己・部落解放同盟三重県連合会執行委員長、森一恵・三重弁護士会会長で構成する。第1回を2026年3月10日、第2回を5月14日に開催し、条例の必要性、部落差別の定義、身元調査・土地調査の禁止、インターネット上の人権侵害への対応などを検討してきた。

国の「部落差別の解消の推進に関する法律」は2016年、現在も部落差別が存在し、情報化の進展によって状況が変化しているとの認識を法律上明記した。国と地方公共団体に相談体制の充実、教育・啓発、実態調査を行う責務を定めるが、個別の差別行為に対する禁止規定や罰則は置いていない。三重県の検討は、この国法を地域の実情に応じた禁止行為や対応手続へ具体化する作業に当たる。

三重県が6月18日に県議会常任委員会へ示した資料では、県に報告される部落差別事象が毎年10件以上あり、減少していないと説明した。行政などに対する被差別部落の所在地の問い合わせも続いているという。骨子案は、部落差別、差別を助長・誘発する行為、特定の個人や地域を被差別部落と結び付けて示す行為、身元調査・土地調査の禁止を掲げる。県への通報、調査、指導、勧告の規定も検討対象に含む。

現行の「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」の改正では、県がプラットフォーム事業者へ人権侵害情報の削除を要請できる根拠や、助言・説示・あっせん、勧告を実施するための手続強化が論点となる。第1、2回では、制裁的な公表が実効性を高め得るとの意見が出る一方、プライバシーとの調整を課題とする指摘も示された。差別を具体的に規制する制度では、対象行為を明確にしつつ、調査や公表によって新たな地域の識別や偏見を生じさせない制度設計が必要になる。

県の予定では、8月に県民意識調査と三重県人権施策審議会での条例素案の検討を行い、12月に中間案へのパブリックコメントを実施する。条例案の県議会提出は2027年9月を見込む。第3回検討会を非公開とする以上、三重県人権課が会議後の結果と、禁止行為、調査権限、削除要請、公表の範囲を含む条例素案をどこまで具体的に示すかが、県民による検証の前提となる。

出典

三重県「第3回『部落差別解消条例(仮称)』制定等に向けた検討会を開催します」

URL:https://www.pref.mie.lg.jp/SINGI/m0111400037.htm

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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