犯罪被害者月間が2026年から開始 群馬県で遺族講演と誹謗中傷防止シンポジウム

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この記事のポイント

1.2026年から「犯罪被害者週間」が「犯罪被害者月間」に拡大され、毎年11月1日~12月1日に啓発活動を実施する。
2.群馬県では11月7日、交通犯罪被害者遺族の松永拓也さんによる講演と、ネット社会の責任を考えるシンポジウムを開催する。
3.犯罪被害者等基本法に基づく支援制度と、被害者や遺族への二次被害を防ぐための理解を深める機会となる。

群馬県の令和8年度被害者支援講演会&シンポジウム

群馬県と公益社団法人被害者支援センターすてっぷぐんまは2026年11月7日午後1時から4時30分まで、群馬県庁2階ビジターセンターで「令和8年度被害者支援講演会&シンポジウム」を開催する。群馬県警察本部が共催し、交通犯罪被害者遺族の松永拓也さんが講演するほか、ネット上の誹謗中傷や犯罪被害者支援をテーマとする意見交換を行う。2026年からは、従来の「犯罪被害者週間」が「犯罪被害者月間」に拡大され、毎年11月1日から12月1日まで啓発活動が行われることになった。今回の催しは、新たな啓発期間に合わせた地域の取組となる。

松永拓也さんが被害者遺族の経験を語る

講演の演題は「犯罪被害者遺族が伝えたいこと~突然奪われた日常と、被害者支援・誹謗中傷の現実~」。

松永拓也さんは、交通犯罪被害者遺族として、被害後の経験や被害者支援の問題について発信している。

犯罪被害は、事件の発生時点だけで完結するものではない。被害者や遺族は、事件によって受けた身体的・精神的な被害に加え、生活環境の変化、経済的な負担、捜査や裁判への対応など、さまざまな課題に直面する場合がある。

被害者遺族の話を直接聞く機会には、こうした影響を、統計や制度の説明だけではなく、実際の生活との関係から理解する役割がある。

今回の講演では、被害者支援とともに、インターネット上の誹謗中傷も取り上げられる。犯罪被害者や遺族が事件後に受ける言葉や情報の拡散について考える内容となっている。

弁護士や心理職がネット社会の責任を議論

続くシンポジウムのテーマは「『自分ごと』として考えるネット社会の責任と被害者支援」。

ファシリテーターは、京都犯罪被害者支援センター副理事長の川本哲郎さんが務める。

シンポジストには松永拓也さんのほか、弁護士の大野岳さん、群馬県警察本部の部内カウンセラーである臨床心理士、すてっぷぐんまの事務局長が参加する。

法律、心理支援、民間支援団体、当事者遺族という異なる立場から、犯罪被害者が経験する問題を考える構成である。

インターネット上では、事件の情報を知った人が容易に意見を投稿できる。しかし、被害者の言動を断片的な情報だけで評価したり、私生活について根拠のない推測を広めたりすることは、新たな権利侵害につながるおそれがある。

事件について知ることと、被害者の個人情報を拡散することは別の行為である。報道や情報発信の自由を尊重しながら、被害者のプライバシーや人格の尊厳を守ることが課題となる。

犯罪被害者週間から月間への拡大

犯罪被害者等基本法は2004年に成立し、犯罪被害者やその家族、遺族の権利利益を保護するための基本理念や国・地方公共団体などの責務を定めた。

2005年12月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画では、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」としていた。

2026年3月17日に閣議決定された第5次犯罪被害者等基本計画では、この期間を拡大し、毎年11月1日から12月1日までを「犯罪被害者月間」とすることが決まった。

第5次計画は、2026年4月から2031年3月までの5年間を対象としている。今回の月間化は、犯罪被害者支援について国民の理解を広げ、啓発活動をより集中的に実施するための措置である。

二次被害とは何か

二次被害とは、犯罪そのものによる被害とは別に、事件後の周囲の言動や情報の取扱いなどによって新たに生じる精神的苦痛や不利益を指す。

例えば、被害者の行動を一方的に責める、本人の意思に反して個人情報を広める、根拠のない噂を流すといった行為が問題になる場合がある。

犯罪被害者が必要な支援を受けるためには、相談窓口や給付制度などの仕組みだけでなく、周囲の人が不用意な言動によって負担を増やさないことも関係する。

被害を受けた人が相談する際には、事件の詳細を周囲に説明したくない場合もある。支援を考える際には、本人が何を話し、何を話さないかという意思を尊重することも大切である。

被害者支援制度を知る機会に

犯罪被害者支援には、警察や自治体の相談窓口、民間の被害者支援団体、法律専門家などによる複数の仕組みがある。

犯罪被害給付制度は、一定の犯罪によって死亡、重傷病、障害などの被害が生じた場合に、国が給付金を支給する制度である。

被害者参加制度は、対象となる刑事裁判に被害者や遺族が一定の範囲で参加し、意見を述べることなどを認める仕組みをいう。

これらの制度は、対象となる犯罪や利用要件が異なるため、すべての被害者が同じ制度を利用できるわけではない。

すてっぷぐんまのような民間被害者支援団体は、行政機関とは異なる立場から被害者や遺族を支える地域の相談先となっている。

群馬県警察本部は、犯罪被害者月間を中心に関係機関や団体と連携した啓発活動を実施する。11月7日の講演会とシンポジウムは、被害者支援の制度だけでなく、被害を受けた人や遺族に接する際の配慮について学ぶ機会となる。

出典

群馬県警察本部「犯罪被害者月間とイベントの開催について」
URL:https://www.police.pref.gunma.jp/28558.html

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人権ニュース編集部

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