1.兵庫県は12月2日、神戸市中央区の県立のじぎく会館で「人権のつどい」を開催する。
2.元パラリンピック日本代表で義手のバイオリニスト、伊藤真波さんが講演と演奏を行う。
3.隣保館マルシェや人権啓発展示も同時開催し、手話通訳、要約筆記、ヒアリングループを用意する。

兵庫県は2026年12月2日午後1時30分から4時20分まで、神戸市中央区の兵庫県立のじぎく会館で、令和8年度「人権のつどい」を開催する。主催は兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県人権啓発協会、ひょうご人権ネットワーク会議。12月4日から10日までの人権週間に合わせた事業で、元パラリンピック日本代表の伊藤真波さんによる講演と演奏、HYOGOヒューマンライツ作品コンテスト表彰式、人権啓発展示などを実施する。参加無料で、主な催しは定員350人の先着順。申込期限は11月19日となっている。
義手のバイオリニスト伊藤真波さんが登壇
午後2時20分から3時50分までは、「ハートフル人権ミニコンサート&人権講演会」が行われる。
講師を務める伊藤真波さんは、片腕義手のバイオリニストで、元パラリンピック日本代表の競泳選手。講演の演題は「あきらめない心~前向きに生きることで必ず道は開ける~」となっている。
障害のある人のスポーツや文化活動への参加は、障害者権利条約第30条が保障する権利とも関係する。同条は、障害のある人がほかの人と平等に文化的生活やレクリエーション、余暇、スポーツに参加できることを定めている。
伊藤さんの講演は、自身の経験を通じて困難への向き合い方を知る機会となる。同時に、障害のある人が多様な活動に参加するための環境や、周囲の理解と支援について考えることもできる。
障害のある人を、努力によって困難を克服する人としてだけ捉えるのではなく、スポーツ選手、音楽家、文化活動の担い手として接することも、障害者の社会参加を理解するうえで大切な要素となる。
人権週間は世界人権宣言の採択に由来
「人権のつどい」は、毎年12月4日から10日まで実施される人権週間の意義を県民に伝えるための事業である。
1948年12月10日、国連総会で世界人権宣言が採択された。世界人権宣言は、すべての人間が生まれながらに自由であり、尊厳と権利について平等であるという原則を示した国際的な文書である。
日本では、この12月10日の人権デーを最終日とする1週間を人権週間として、各地で啓発活動を行っている。
兵庫県の催しでは、ひょうご人権大使の小林祐梨子さんによる開会宣言や、HYOGOヒューマンライツ作品コンテストの表彰式も実施する。作品を通じて、こどもや若い世代を含む県民の人権に関する考えに触れることができる。
会場には人権啓発パネル、北朝鮮による拉致被害者の救出を求める署名コーナー、県内で人権推進に取り組む団体の活動紹介コーナーなども設けられる。
隣保館マルシェで地域活動を紹介
同時開催の「隣保館マルシェ」は、兵庫県隣保館連絡協議会と全隣協近畿ブロック協議会が実施する。会場はのじぎく会館1階のふれあいルームなどで、申込み不要、入場自由となっている。
隣保館は、地域住民の生活相談、人権啓発、交流活動などを行う施設である。
歴史的には、同和問題への取組と深く関係して整備されてきた施設だが、地域社会の中で住民の交流や福祉、人権課題に関する相談を行う拠点としての役割も担っている。
今回のマルシェでは、油かす料理や焙煎コーヒー、パン、キムチなどの販売を予定している。食や買い物を通じ、普段は隣保館を利用する機会の少ない人も、その活動に触れられる内容である。
熊本学園大学の避難所活動も展示
マルシェのパネル展示では、熊本地震の際に障害者を受け入れた熊本学園大学の避難所活動を紹介する。
災害時の避難所は、単に避難できる建物があるだけでは十分とは限らない。車椅子での移動、トイレ、情報伝達、介助、食事など、避難生活の中で必要となる条件は人によって異なる。
障害のある人が一般の避難所を利用しにくい場合、その背景には施設設備や支援体制の問題があることも考えられる。災害時に異なる事情を持つ人が同じ場所で生活するための工夫は、地域の人権課題とも関係する。
今回の展示は、隣保館の地域活動を知るだけでなく、災害時の障害者支援について学ぶ機会にもなる。
手話通訳などの情報保障を用意
会場の主な催しには、手話通訳、要約筆記、ヒアリングループが用意される。
要約筆記は、話された内容を文字で伝える情報保障の方法である。ヒアリングループは、対応する補聴器などを使用する人に、音声を聞き取りやすい形で届ける設備をいう。
こうした仕組みは、聴覚障害のある人などが講演や説明に参加しやすくなるための対応である。
参加申込みはインターネット、ハガキ、FAXで受け付ける。車椅子利用などの配慮事項がある場合は、申込みの際に伝えることができる。定員に空きがあれば、当日入場も可能としている。
兵庫県は12月2日、講演、演奏、表彰、展示、地域交流を組み合わせた「人権のつどい」を開催する。参加者は、関心のあるプログラムを通じて、人権尊重の考え方や地域で活動する団体について学ぶことができる。
兵庫県「令和8年度『人権のつどい』を開催します!」
URL:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk63/press/20261030.html

