1.愛知県が11月19日、名古屋市のウインクあいちで「人権を考える企業者のつどい」を開催する。
2.2002年度から続く企業向け事業で、2026年度は中小企業における個人情報保護と企業の信用を扱う。
3.個人情報保護をIT部門だけの問題とせず、従業員、採用応募者、顧客などのプライバシーを扱う企業人権の課題として考える。

2002年度から続く企業向け人権事業
愛知県と愛知県商工会連合会は11月19日午後2時から4時まで、名古屋市中村区の愛知県産業労働センター「ウインクあいち」で「人権を考える企業者のつどい」を開催する。県が2002年度から実施している事業で、2026年度は株式会社情報文化総合研究所代表取締役の佐藤佳弘氏が「中小企業者のための個人情報保護~守ろう人権、守ろう信用~」と題して講演する。定員150人、参加無料で、事業主、人事労務担当者、一般勤労者などを対象とする。
個人情報は「漏えいしなければよい」だけではない
個人情報保護というと、サイバー攻撃やメール誤送信による情報漏えいが想起されやすい。しかし企業が扱うのは顧客情報だけではなく、採用応募者の経歴、従業員の連絡先や人事情報、取引先担当者の情報など幅広い。取得した目的を超えて利用する、必要以上の人が閲覧できる状態にする、本人が知らない形で第三者に扱わせるといった問題も、個人の権利利益に関わる。
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は2026年6月に一部改正されており、個人情報取扱事業者が講じる安全管理措置や個人情報の適正な取扱いを具体的に示している。企業規模が小さいこと自体によって個人情報保護法の基本的な責任がなくなるわけではない。
人事・営業・委託先まで含む企業実務
個人情報の管理を情報システム部門だけの仕事と捉えると、紙の応募書類、顧客とのメール、営業担当者の端末、外部委託先へのデータ提供などが管理から漏れやすい。どの部署が何の情報を保有しているか、誰がアクセスできるか、利用目的をどのように本人へ示しているか、事故が起きた場合に誰へ連絡するかまで整理して初めて、企業全体の管理になる。
人権の側から見ると、企業にとっての損失防止だけではなく、情報の対象となる本人が不利益を受けないことが中心になる。とりわけ人事情報や要配慮個人情報は、漏えいや不適切な利用によって職場での差別やプライバシー侵害につながる可能性がある。
「信用」を権利保護から考える
愛知県は講演テーマに「守ろう人権、守ろう信用」と掲げている。企業の信用は情報事故が起きなかったという結果だけではなく、個人情報を取得してから廃棄するまでの取扱いを説明できる体制とも関係する。11月19日の講演を実務へつなげるには、社内規程の有無だけでなく、実際の情報の流れ、アクセス権限、委託先管理、問い合わせ窓口まで点検できるかが具体的な確認事項となる。2002年度から続く愛知県の企業人権事業は、2026年度、個人情報保護を人権と企業経営の双方にまたがる課題として扱う。
愛知県「『人権を考える企業者のつどい』の参加者を募集します」
URL: https://www.pref.aichi.jp/press-release/jinkentsudoi-20261119.html
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
URL: https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
.jpg)
