徳島県労働委員会「労使トラブル防止10か条」 解雇・有休・カスハラを整理

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事のポイント

1.徳島県労働委員会は9月24日、使用者向け啓発チラシ「労使トラブル防止10か条」2026年度版を公開した。
2.労働条件通知、有給休暇、賃金、転勤、退職、解雇、雇止めなど、実際の労働相談で問題になりやすい10場面を法令とともに整理している。
3.2026年10月1日から事業主に義務付けられるカスタマーハラスメント防止措置も追加し、相談窓口や被害者対応などを示した。

徳島県が使用者向け啓発チラシ「労使トラブル防止10か条」(令和8年度版)を作成

労働相談から10のトラブルを抽出

徳島県労働委員会は2026年9月24日、経営者など使用者を対象とした「労使トラブル防止10か条」の2026年度版を公開した。同委員会によると、日常の労働相談には、使用者が法令に沿った対応をしていれば労働者との紛争を予防できたと考えられる事例が多く、特に留意すべき10場面を選んだ。昨年度に続く作成となる。

チラシが扱うのは、①採用時の労働条件通知書、②パワーハラスメント、③パート・アルバイトを含む年次有給休暇、④開店準備や後片付けなどの労働時間と賃金、⑤転勤・配置転換、⑥雇入れ時の健康診断と安全衛生教育、⑦労働者からの退職申出、⑧退職勧奨、⑨解雇、⑩有期契約の雇止めである。労働基準法、労働契約法、育児・介護休業法、労働安全衛生法など、各場面の根拠法令も併記している。

「退職」「解雇」「雇止め」は別の制度

実務上、区別しておきたいのが雇用終了をめぐる3項目だ。無期労働契約の労働者からの退職申出、使用者側から行う解雇、有期労働契約を更新しない雇止めでは、それぞれ適用されるルールが異なる。チラシは、解雇について客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない場合は無効となること、有期契約も更新状況や使用者側の説明によっては自由に雇止めできない場合があることを説明している。

これは「会社と従業員が話し合えばよい」というだけの問題ではない。使用者の人事権にも労働法上の限界があり、パート・アルバイトを含めて法律上保障される権利がある。労働条件通知書や労働時間の記録など、紛争が起きる前に企業側が整備すべき事項も多い。

10月1日からカスハラ防止措置も義務化

2025年6月の労働施策総合推進法改正により、カスタマーハラスメントへの雇用管理上の措置は2026年10月1日から事業主の義務となる。2026年9月25日時点では施行前である。徳島県のチラシは、事業主の方針・判断基準の明確化、相談窓口の整備、発生後の迅速な事実確認と被害者への配慮、悪質な行為への対応方針、相談者のプライバシー保護と不利益取扱いの禁止を挙げている。

徳島県労働委員会は、労働者だけでなく使用者からの相談も無料で受け付け、平日の午前8時30分から正午、午後1時から5時15分まで電話・来庁相談を実施している。チラシを配布して終えるのではなく、具体的な労使紛争を専門機関へ接続できる仕組みまで示している点が、今回の2026年度版を実務資料として読む際の特徴となる。

出典

徳島県「使用者向け啓発チラシ『労使トラブル防止10か条』(令和8年度版)」
URL: https://www.pref.tokushima.lg.jp/jigyoshanokata/sangyo/rodokankei/7218693

徳島県労働委員会「労使トラブル防止10か条」
URL: https://www.pref.tokushima.lg.jp/file/attachment/1077384.pdf

関連用語
スポンサーリンク
スポンサーリンク
人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

人権ニュース編集部をフォローする
ビジネス司法・制度
シェアする
タイトルとURLをコピーしました