1.京都市右京区が9月29日から10月26日まで、小中学生が制作した人権啓発ポスター約300点を展示する。
2.8月の人権強調月間に学校で制作された作品を区役所の公共空間に展示し、学校教育と地域啓発を接続する。
3.子どもを啓発の受け手だけでなく表現の担い手とする一方、人権教育は相談・救済制度と併せて考える必要がある。

京都市右京区は9月29日から10月26日まで、サンサ右京(右京区総合庁舎)1階区民ロビーで「小・中学生による人権啓発ポスター展」を開く。区内の小中学校の児童・生徒が8月の人権強調月間に描いた約300点を展示する。入場は無料で、右京区民ふれあい事業実行委員会、右京区地域啓発推進協議会、右京区役所が主催する。
この事業の特徴は、行政が作成した啓発資料を学校に配るのではなく、学校で制作された作品を区役所の公共空間に移し、地域住民が見る構成にある。児童・生徒は啓発を受ける側であると同時に、自ら考えた表現を地域へ示す側にもなる。正式な政策形成への意見表明とは性格が異なるものの、子ども自身の表現を公共の場で扱う点では、行政から住民への一方向型の啓発とは異なる形を持つ。
人権教育では、標語やポスターを制作すること自体が最終目的ではない。京都市は人権文化推進施策の中で、教育・啓発とともに相談・救済を扱ってきた。差別、いじめ、暴力など具体的な権利侵害が生じた場合、問題の存在を知ることと、相談先や制度を利用して解決を図ることは別の段階になる。展示を地域の人権施策として見る場合、作品鑑賞から相談・救済の情報へどのようにつなげるかも検討材料となる。
子どもの権利との関係では、大人が用意した「正しい答え」を再現させるだけの人権教育にならないことも大切になる。子どもの権利条約は、子どもを保護の対象だけでなく権利の主体として扱う。今回の発表資料では作品の具体的なテーマや制作過程までは示されていないため、約300点がどのような課題を取り上げ、児童・生徒がどのような視点で人権を表現したかは、実際の展示で確認することになる。
展示時間は平日が午前8時から午後9時、土日祝日は午前8時30分から午後9時。10月9日、13日、22日、23日は別の催しのため展示を行わない。右京区役所地域力推進室まちづくり担当が事業を担当し、1か月近い展示期間を通じて学校で制作された約300点を地域住民に公開する。
京都市右京区「右京区人権啓発事業『小・中学生による人権啓発ポスター展』の開催」
URL:https://www.city.kyoto.lg.jp/ukyo/page/0000356528.html
京都市「京都市人権文化推進計画」
URL:https://www.city.kyoto.lg.jp/menu1/category/19-7-3-0-0-0-0-0-0-0.html

