ハンセン病対策協議会資料 医師不足・永続化を議題

この記事のポイント

1.令和8年度ハンセン病問題対策協議会は6月22日、東京都内で開かれた。
2.統一要求書は、名誉回復、在園保障、社会復帰支援、家族施策、公文書保存、療養所の将来構想を扱った。
3.国立ハンセン病療養所の医師定員146人に対し、現員は122人とされ、医療体制の確保が論点となった。

厚生労働省

令和8年度ハンセン病問題対策協議会は2026年6月22日、東京都港区のTKP新橋カンファレンスセンターで開かれた。厚生労働省が掲載した資料によると、議題は「謝罪・名誉回復」「在園保障」「社会復帰・社会内生活支援」「元患者家族に対する施策」「真相究明」「ハンセン病に関する公文書保存体制の問題」「将来構想」の7項目。配付資料には、統一要求書、書面回答、令和7年度協議会の確認事項、ハンセン病問題関連3法が含まれた。

統一要求書は、ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会、全国ハンセン病療養所入所者協議会、ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国弁護団連絡会、ハンセン病家族訴訟原告団の4団体が、厚生労働大臣宛てに提出した。出席者名簿には、厚生労働副大臣の仁木博文氏、全国原告団協議会会長の竪山勲氏、全国ハンセン病療養所入所者協議会会長の屋猛司氏、ハンセン病家族訴訟原告団副団長の黄光男氏らが記載されている。

在園保障では、13の国立ハンセン病療養所について、入所者の意思に反した退所・転園を行わず、終生の在園を保障することが求められた。特に医師確保については、医師給与や手当の改善、地域医療ネットワークとの連携、電子カルテ整備などが挙げられている。資料では、国立ハンセン病療養所の医師定員146人に対し、令和8年5月1日現在の現員は122人とされ、副園長不在が栗生楽泉園、星塚敬愛園、奄美和光園の3園にあると記された。

社会復帰・社会内生活支援では、退所者や非入所者が地域で医療・介護を受ける際の支援が取り上げられた。統一要求書は、医療・介護関係者への研修、協力医の確保、ソーシャルワーカー等の専門相談員の配置、沖縄県ハンセン病対策事業や社会復帰者等支援事業の体制拡充を求めている。偏見や差別が医療受診、介護認定、家族関係、地域生活に残る場合、制度上の補償だけでは生活上の障壁を取り除けない。ハンセン病問題は、過去の隔離政策の違法性だけでなく、地域で暮らす権利を現在の行政がどう支えるかという課題を含んでいる。

公文書保存と将来構想も、今回の資料の柱となった。統一要求書は、都道府県が保管するハンセン病関係文書について、後世に残すべき文書の保存基準に関する情報提供や保存管理への働きかけを求めた。療養所保存文書についても、調査結果や資料選定作業の進行状況を示すよう求めている。将来構想では、療養所の入所者数が600人を割り込み、平均年齢が90歳に近づく状況を踏まえ、療養所所在地自治体を交えた意見交換会や、奄美和光園の永続化に関する協議会の開催などが示された。

関連法の資料には、2001年のハンセン病療養所入所者等に対する補償金支給法、2008年のハンセン病問題基本法、ハンセン病元患者家族補償法が収められた。補償金支給法は、らい予防法が1996年まで廃止されなかった経緯を記し、患者であった人々の名誉回復と福祉増進を定めている。厚生労働省と統一交渉団の協議は、補償、医療、生活支援、資料保存、療養所の将来を一体で扱う場であり、令和8年度資料は、その論点を改めて整理する内容となっている。

出典

厚生労働省「令和8年度ハンセン病問題対策協議会の資料について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74137.html

厚生労働省「令和8年度ハンセン病問題対策協議会 配付資料」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001716133.pdf

人権ニュース編集部

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