1.ベネズエラ暫定政権は国際刑事裁判所(ICC)のローマ規程から脱退する意思を正式に通知した。
2.脱退は2027年7月24日に発効するが、それ以前の行為に対するICCの管轄や進行中の捜査が自動的に消滅するわけではない。
3.アムネスティはICCの捜査と国連の国際独立事実調査団による監視の継続を求めている。

アムネスティ・インターナショナル日本は2026年8月19日、ベネズエラ暫定政権による国際刑事裁判所(ICC)の設置条約「ローマ規程」からの脱退について声明を公表した。ベネズエラは7月24日に脱退を正式通知し、8月6日に国連の条約情報として公表された。脱退は通知から1年後の2027年7月24日に発効する。
ここで重要なのは、脱退すれば過去のICC捜査がなくなるわけではないことである。ローマ規程では、脱退前に生じた加盟国としての義務や、脱退発効前に開始された捜査・手続に脱退が影響しない仕組みが定められている。アムネスティも、2027年7月24日までに行われた犯罪について、ICC検察局が現在進める捜査には影響しないと説明している。
ベネズエラでは、政治的反対者への弾圧などをめぐり、ICC検察局と国連の国際独立事実調査団が調査を続けてきた。アムネスティは一部の行為が人道に対する罪に該当し得るとしており、被害者の真実を知る権利、司法へのアクセス、賠償、再発防止の観点から国際的な監視を維持するよう求めている。
もっとも、今回の資料はアムネスティというNGOの評価を含むものであり、その評価とICCが個々の被疑者について下す司法判断は区別しなければならない。国際刑事司法の焦点は国家を一般的に非難することではなく、ローマ規程に定められた犯罪について個人の刑事責任を証拠に基づいて判断することにある。ベネズエラの脱退発効まで約11カ月ある中、ICC捜査と国連事実調査団の活動がどのように続くかが被害者の救済に直接関わる。
アムネスティ・インターナショナル日本「ベネズエラ:ICC脱退へ」
URL: アムネスティ日本の記事

