1.鹿児島県は9月3、7、8日、薩摩川内市、鹿屋市、鹿児島市でカスタマーハラスメント対策セミナーを開催する。
2.改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から全事業主にカスハラ防止措置が義務付けられる。
3.国の指針は正当な苦情や障害者からの合理的配慮の申出をカスハラと扱わないよう明記しており、企業には「何でも拒否する対策」としない運用が必要になる。

鹿児島県は、2026年10月1日のカスタマーハラスメント対策義務化を前に、県内事業者向けのセミナーと個別相談会を3市で開く。9月3日はSSプラザせんだい、7日は鹿屋商工会議所、8日は鹿児島市のカクイックス交流センターで、いずれも午後1時30分から3時30分まで。県は当初示していた申込期限を延長し、定員に達するまで受け付ける。法律施行まで1か月を切る時期の開催となり、就業現場での具体的な対応を整える機会となる。
法改正は2025年6月11日に公布され、カスハラ防止措置を事業主の義務とする規定は2026年10月1日に施行される。厚生労働省は同年2月26日に防止指針を公布した。指針上のカスハラは、①顧客等の言動、②業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超えること、③その結果として労働者の就業環境が害されること、の3要素すべてを満たすものとされる。対面だけでなく、電話やSNSでの言動も対象になり得る。
制度を運用する際に見落とせないのが、「顧客の苦情」と「カスハラ」を同一視しないという線引きである。厚生労働省の指針は、社会通念上許容される正当な申入れはカスハラに当たらないと明記した。障害のある利用者が不当な差別的取扱いをしないよう申し出たり、社会的障壁を除くための配慮を求めたりすること自体もカスハラには当たらない。事業者がカスハラ対策を理由に苦情受付を狭めれば、消費者の申出や障害者差別解消法に基づく合理的配慮まで排除しかねないため、この区別は実務上の核心になる。
企業が施行前に整える対象は「迷惑客への対応マニュアル」だけではない。会社としての方針、相談窓口、相談後の事実確認と被害者への配慮、悪質事案への対応、従業員への周知・研修まで、労務管理の仕組みに落とし込む必要がある。現場に対応を丸投げすれば、従業員保護の効果も、正当な利用者対応との線引きも不安定になる。鹿児島県の3会場でのセミナーと個別相談会は、10月1日の施行前に各事業者が自社の相談経路と判断基準を点検する機会となる。
鹿児島県「カスタマーハラスメント対策セミナー及び個別相談会」
URL:https://www.pref.kagoshima.jp/af04/rousei/r8kasuharaseminar.html
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf
厚生労働省「あかるい職場応援団 カスタマーハラスメントとは」
URL:https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/harassment_list/customer-hara/

