1.ジャパネットグループ16社が正規・非正規を問わず全従業員を対象に、ハーフパンツの着用を認めるルールを明文化した。
2.環境省も2026年度のクールビズで、仕事環境や気温に合わせた軽装と柔軟な空調利用を呼びかけている。
3.服装の自由化は暑熱負担を減らす一手になり得るが、労働安全衛生規則に基づく熱中症対策を代替するものではない。

株式会社ジャパネットホールディングスを含むジャパネットグループ16社は、正規・非正規を含む全従業員について、ハーフパンツの着用を認める職場ルールを新設した。全国の拠点や職種に応じて従業員が服装を柔軟に選び、猛暑時の通勤・就業時の負担軽減につなげる。取引先対応などでは場面に応じた身だしなみも意識するとしている。会社側は、通勤時の暑さや蒸れが減った、移動しやすくなったなどの従業員の声も紹介している。
政府のクールビズも、以前のように特定の服装だけを示す制度ではなくなっている。環境省は2026年度、5月1日から9月30日まで本省でクールビズを集中的に実施し、企業や自治体にも、日々の気温、ワークスタイル、仕事環境に応じて健康を第一に空調温度を柔軟に設定し、各自が快適で働きやすい軽装を選ぶよう呼びかけている。「オフィス服装改革」としてTPOに応じた服装の自由化も掲げており、ジャパネットのルール変更はこの方向と重なる。
ただし、ハーフパンツを認めることと、事業者に課される熱中症防止措置は区別する必要がある。2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則では、一定の高温環境で長時間作業を行う場合、熱中症のおそれがある作業者を把握するための報告体制、症状悪化を防ぐ手順、その内容の関係者への周知が事業者に義務付けられた。2025年に職場の熱中症で死亡または4日以上休業した人は1,803人で、統計開始以来最多となった。死亡者は19人だった。軽装は身体的な負担を減らす選択肢にはなるが、暑さ指数の把握、休憩、冷却、作業管理、異常時の対応を置き換えるものではない。
労働環境という面では、今回の制度が「全従業員(正規・非正規とも)」を対象にすると明示された点も確認できる。少なくとも規則上、雇用形態によって服装の選択肢を分けてはいない。実施後に見るべきなのは、接客、制作、事務など職種が違っても実際に選択できるか、TPOという基準が部署や性別によって過度に異なる運用にならないか、暑熱リスクの高い職場では別途必要な安全対策が行われているかである。ジャパネットグループのハーフパンツ解禁は小さな社内規則の変更に見えるが、服装選択の自由と労働安全を分けて検証することで、働きやすさの実態を具体的に評価できる。
株式会社ジャパネットホールディングス「ジャパネットグループ全社、ハーフパンツ着用OKのルールを新設」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000736.000016651.html
環境省「令和8年度クールビズについて~デコ活で働き方を快適に~」
URL:https://www.env.go.jp/press/press_04384.html
厚生労働省「令和7年『職場における熱中症による死傷災害の発生状況』(確定値)」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73330.html
厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9174&dataType=1&pageNo=1
安全で健康的な労働環境
URL:https://jinken-news.com/glossary/safe-and-healthy-working-environment/
ディーセント・ワーク
URL:https://jinken-news.com/glossary/decent-work/

