この記事のポイント
1.アイヌ民族文化財団がアイヌ工芸作品コンテスト作品展の360度映像を公開した
2.会場へ行くことが難しい人も、自宅から展示空間を閲覧できる
3.伝統工芸を過去の文化として固定せず、現在の文化活動として伝える構成が問われる

公益財団法人アイヌ民族文化財団は、アイヌ工芸作品コンテスト作品展の会場を360度カメラで撮影し、仮想現実技術を使った映像として公式サイトで公開した。利用者はパソコンやスマートフォンから展示空間を移動し、自宅などから作品を鑑賞できる。
実物の工芸品を直接見る機会は、開催地、会期、移動手段、身体的事情などに左右される。360度映像には、会場への来訪が難しい人にも展示への入口を広げる利点がある。作品の配置や展示空間全体を確認できる点も、静止画だけを並べる方式とは異なる。
アイヌ民族の工芸は、歴史資料として保存されるだけのものではなく、現在も作り手によって制作、継承、更新されている文化活動である。文化を過去のものとしてのみ紹介すると、現在を生きるアイヌ民族の文化的権利や表現活動が見えにくくなる。展示では、作品の形状に加え、制作者や技法、地域性をどこまで伝えられるかも理解を左右する。
今回の案内ページでは、公開作品数、個々の作品解説、VR映像の公開期間は示されていない。アイヌ民族文化財団は公式サイト上で360度VRを公開し、実際の作品展とは異なる方法でアイヌ工芸に接する機会を設けている。
出典
公益財団法人アイヌ民族文化財団「アイヌ工芸作品コンテスト作品展のVR映像公開」
URL:https://www.ff-ainu.or.jp/web/news/details/post_347.html
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