令和8年熊本地震、女性・妊産婦ら向け情報を14団体集約

この記事のポイント

1.ジョイセフを事務局とする14団体が、令和8年熊本地震の被災者と支援者に向けた情報を集約した。
2.妊産婦、障害のある人、LGBTQ+、外国人留学生・技能実習生など、避難生活で困りごとを伝えにくい人を対象に資料や相談先を示した。
3.避難所の安全確保や性暴力の防止、医療・物資へのアクセスは、被災者の生命、健康、尊厳を守る課題となる。

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公益財団法人ジョイセフは7月29日、「SRHR防災 for ALL」のウェブサイトで、令和8年熊本地震の被災者と支援者に向けた情報ページを公開した。ジョイセフが事務局を務めるネットワークの14団体から情報を集め、女性、妊産婦、母子、障害のある人、LGBTQ+、外国人留学生・技能実習生など、避難生活で困りごとを伝えにくい人に必要な資料や相談先を分野別に示している。地震は7月28日16時27分、熊本県熊本地方で発生。気象庁の暫定値ではマグニチュード7.1、震源の深さ16キロで、宇城市と氷川町が最大震度7を観測し、一連の地震活動は「令和8年熊本地震」と命名された。

情報ページは「女性、およびすべての人」「妊産婦」「障害をお持ちの方」「LGBTQ+の方」「外国人留学生・技能実習生の方」などに分かれる。内閣府男女共同参画局の防災・復興ガイドライン、避難所チェックシート、障害別の支援資料、性的少数者への支援要望書、多言語情報サイトを掲載した。外国人向け情報は日本語、英語、タガログ語、インドネシア語、ネパール語、韓国語、中国語、タイ語の8言語に対応する。

妊産婦への支援では、本人からの申し出を待つのではなく、避難所や地域に妊娠中・産後の人がいることを前提に確認する必要性を挙げた。就寝場所、更衣室、授乳室、トイレの安全確保、夜間照明、施錠や見回り、間仕切りによるプライバシー保護も示す。生理用品やマタニティ用品を受け取りやすくする配布方法、性暴力や犯罪被害の相談先、緊急避妊薬を扱う薬局の情報もまとめた。これらは避難所の利便性だけでなく、生命・健康、安全、身体に関する自己決定を守るための対応である。

災害の被害は、揺れや建物被害だけで決まらない。避難所の運営、情報の届き方、支援を申し出やすい環境によって、同じ被災地域でも負担は異なる。内閣府が2020年に決定したガイドラインは、全国47か所へのヒアリングと700件近い意見を踏まえ、意思決定への女性の参画、性暴力の防止、男女別の更衣室や物干し場、女性を含む避難所運営体制などを整理した。ジョイセフの情報集約は、この行政基準を障害、性的指向・性自認、言語や在留上の事情まで広げ、支援から漏れやすい層へ具体的な入口を示した点に特徴がある。

ジョイセフは2016年の熊本地震で、熊本県助産師会、熊本大学、熊本市男女共同参画センターなどと連携し、助産師による訪問、授乳・育児相談、母子の交流サロン、衛生用品の提供、性暴力・DV防止の啓発を実施した。今回も7月28日から緊急募金を受け付け、生理用品、妊産婦・乳幼児へのケア、性暴力被害者への支援、LGBTQ+への配慮、緊急避妊薬へのアクセスなどに充てる方針だ。ジョイセフと熊本県助産師会などが、避難所だけでなく在宅・車中避難者を含むニーズを把握し、医療、相談、物資の各支援へ接続できるかが、今後の活動の実効性を左右する。

出典

公益財団法人ジョイセフ「令和8年熊本地震で被災した方のための情報提供まとめ」 URL:https://www.joicfp.or.jp/jpn/2026/07/29/59304/
参考 気象庁「令和8年熊本地震について」 URL:https://www.jma.go.jp/jma/menu/20260728_kumamoto_jishin.html
参考 内閣府男女共同参画局「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」 URL:https://www.gender.go.jp/policy/saigai/fukkou/guideline.html

人権ニュース編集部

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