1.大分市は8月29日、ROSEさんを講師に性的マイノリティ人権尊重セミナーを開催する。
2.ROSEさんは56歳で女性として生きることをカミングアウトした経験を語る。
3.定員25人、無料託児10人。8月3日から21日まで申し込みを受け付ける。

大分市男女共同参画センター(たぴねす)は8月29日午後1時30分から3時まで、性的マイノリティの人権尊重セミナー「思いやりの心をはぐくむ~一人ひとりが自分らしく~」を、コンパルホール2階の同センター会議室1で開く。講師は、LGBTQ支援任意団体「I’m me」代表理事のROSE(ローズ)さん。定員は大分市内在住、在勤、在学者25人で、先着順となる。
ROSEさんは、生まれながらの性に違和感を持ち続け、50代になって自らの性のあり方と向き合い、56歳で女性として生きることをカミングアウトした。セミナーでは、その体験をもとに「性的マイノリティとして生きる人への理解と人権」を扱う。用語や制度の説明だけでは見えにくい、自己認識に至るまでの時間と、女性として生きることを公表した経験を、当事者の言葉から考える内容だ。
当事者の経験を直接聞く形式は、性的指向やジェンダーアイデンティティを抽象的な知識にとどめず、生活、家族、職場、地域との関係に結び付けて捉える契機になる。ただし、セミナー名に掲げる「思いやり」だけで課題を処理すると、差別を受けないことや尊厳、プライバシー、社会参加の保障が、周囲の善意に左右される問題として受け取られかねない。理解促進は、当事者に特別な配慮を施すことではなく、本人の意思に反する暴露や固定観念に基づく扱いを避け、同じ市民として権利を保障するための基盤である。
国は2023年に性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法を施行し、2026年6月16日には同法に基づく基本計画を閣議決定した。大分市も2026年4月1日に「大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例」を施行し、人権教育・啓発や相談体制の充実を市の施策として定めている。2023年9月に始めた「おおいたパートナーシップ宣誓制度」は法律上の婚姻と同じ効力を持たないものの、一部の行政サービスの利用につながり、2024年4月からは大分県との受領証の相互利用も行われている。今回のセミナーは、こうした制度を地域の理解と日常の対応につなぐ場でもある。
参加は無料。生後6か月から就学前までの子どもを対象に、無料の託児を先着10人で受け付ける。申込期間は8月3日午前9時から21日午後5時までで、専用フォームまたは大分市男女共同参画センターへの電話で申し込む。託児の設定は、育児中の市民が啓発の場に参加しやすくする実務的な措置でもある。大分市男女共同参画センターには、ROSEさんの体験を個人の告白として消費せず、市の条例、相談体制、パートナーシップ宣誓制度と結び付け、参加者が地域や職場での対応を具体的に考えられる運営が問われる。
大分市「令和8年度性的マイノリティの人権尊重セミナー『思いやりの心をはぐくむ~一人ひとりが自分らしく~』の受講者を募集します」
URL:https://www.city.oita.oita.jp/o018/r8sekumaisemina.html
参考 大分市「大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例を制定しました」
URL:https://www.city.oita.oita.jp/o078/kurashi/jinkenmondai/jyourei.html
参考 内閣府「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画」
URL:https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/kihon/index.html

