1.京都外国語大学が8月29日、米原市役所でカナダ移民史とブラジル系住民の現在を学ぶ探究イベントを開く。
2.中高生は大学教員の講座を受け、海外にルーツを持つ大学生らと滋賀の多文化共生について話し合う。
3.海外へ人を送り出した地域史と、外国人住民を受け入れる現在を結び付け、移民を地域の生活史として捉え直す。

京都外国語大学社会連携センターは2026年8月29日、米原市役所会議室3-Bで国際高大社会連携プログラム「世界につながる滋賀の探究:カナダとブラジル―EmigrationとImmigration―」を開く。午後1時30分から4時まで。中学生、高校生、大学生、一般市民、教育関係者、地域関係者を対象に、50人程度を募集する。「Emigration」は地域から外へ向かう移住、「Immigration」は地域へ入る移住を指す。滋賀県から海外へ渡った人びとの歴史と、海外から滋賀県へ移り住んだ人びとの現在を一つの地域史として学ぶ企画である。
第1部の市民講座では、京都外国語大学社会連携センター長の河上幸子教授、同ラテンアメリカ研究センター長の伊藤秋仁教授、外国語学部ブラジルポルトガル語学科のフェリッペ・モッタ講師らが、「世界につながる滋賀:カナダとブラジルの視点から」を解説する。午後2時30分からはカナダの菓子とブラジルの飲み物を囲む交流時間を設け、午後3時からの第2部では、中高生が海外にルーツを持つ大学生や外国語を学ぶ学生と「世界とつながる滋賀の未来」を話し合う。
米原市磯地区では、明治・大正期にカナダへの移住が行われた。共催する磯郷土史クラブは、地域に残る移民史を調べ、次世代に伝える活動を続けている。協力する読売新聞大阪本社わいず倶楽部は、日本からブラジルへの移民を題材にしたアニメーション映画「ニホンジン」の試写会で寄せられた反応を報告する。かつての海外移住を郷土史として保存する活動と、現在の多文化共生を結び付ける構成が今回の特色となる。
滋賀県の外国人人口は2025年12月末時点で4万4,735人に達し、県人口の3.19%を占める。国籍・地域別ではブラジルが8,782人で、ベトナムに次いで2番目に多い。外国にルーツを持つ住民を「外から来た人」としてだけ捉えると、地域で暮らし、働き、学んできた時間や、滋賀県側にも海外へ人を送り出した歴史があることが見えにくくなる。出移民と入移民の双方を扱う今回の学習は、その非対称な見方を問い直す機会になる。
主催は京都外国語大学社会連携センター、共催は磯郷土史クラブ、後援は米原市教育委員会。大学、地域団体、行政が役割を分担し、中高生が移民を抽象的な国際問題ではなく、米原市磯地区と現在の滋賀県につながる生活史として考える場をつくる。参加希望者は京都外国語大学社会連携センターの専用ページから事前に申し込む。
京都外国語大学
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000078199.html
滋賀県「令和7年外国人の住民基本台帳人口調査結果」
URL:https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kurashi/kokusai/10890.html
米原市文化財ニュース「佐加太」第52号
URL:https://www.city.maibara.lg.jp/soshiki/kyoiku/rekishi/leaflet/sakata/20386.html

