アイエスエフネット、アライ宣言強化 認知率91.1%

この記事のポイント

1.アイエスエフネットの社内調査で、「アライ宣言」の認知率が91.1%となった。
2.他の社員の宣言が職場の安心感や働きやすさにつながると思う人は87.4%だった。
3.公表資料には回答者数などがなく、宣言の認知度と実際の職場改善は分けて検証する必要がある。

アイエスエフネット、アライ宣言の取り組みを強化

ITインフラ企業のアイエスエフネットは6月24日、社内で進める「アライ宣言」に関する意識調査の結果を公表した。取組を「詳しく知っている」は45.9%、「名前は聞いたことがある」は45.2%で、合計した認知率は91.1%。「アライ」の意味を「よく理解している」「だいたい理解している」とした回答は計96.6%だった。同社は2025年末から宣言の社内展開を強化している。

一般にアライは、LGBTQIAなど性的マイノリティへの理解や支援を表明する人を指す。アイエスエフネットは対象を広げ、年齢、性別、国籍、障害の有無などにより就労上の困難を抱える人を支援する社員もアライとしている。社員が「多様な働き方を支援する」などのメッセージを掲げ、社内に理解者がいることを見える形で示す仕組みだ。

調査では、他の社員のアライ宣言を見ることが職場の安心感や働きやすさを高めることにつながると思うかを尋ねた。「非常にそう思う」が35.1%、「ややそう思う」が52.3%で、肯定的な回答は87.4%となった。ただし、この設問が測ったのは、宣言によって働きやすくなったという経験ではなく、「つながると思うか」という認識である。公表資料には調査時期、対象人数、回答数、回収率、回答者の属性が記載されておらず、数値の代表性までは確認できない。

アライの可視化は、性的指向や性自認、障害、家庭事情などを職場で明らかにしていない社員に対し、相談相手の存在を伝える手段になり得る。ただし、宣言だけで差別やハラスメントを防げるわけではない。宣言していない社員に思想や個人的事情の開示を迫らないこと、当事者に研修や説明の役割を集中させないこと、支援を表明した社員が機微な情報を本人の同意なく共有しないことも欠かせない。

厚生労働省のパワーハラスメント防止指針は、性的指向や性自認に関する侮辱的な言動と、本人の了解を得ない暴露(アウティング)を職場で問題となる行為の例に挙げている。事業主には相談体制の整備なども課される。アイエスエフネットは2023年からLGBTQIA・SOGI専用相談窓口を設け、全社員向けのSOGIハラスメント研修、同性パートナーや事実婚を含む福利厚生、当事者とアライが交流する「アイカフェ」も運営している。

同社は、宣言していない社員から「何を書けばよいか分からない」「自分の考えをオープンにすることに抵抗がある」との声があったとして、参加方法を見直す方針を示した。今後の検証では宣言者数や認知率だけでなく、相談窓口の利用しやすさ、アウティングなどの防止状況、制度を必要とする社員の評価を併せて確認することが、アイエスエフネットのアライ宣言を職場環境の改善につなげる条件となる。

出典

株式会社アイエスエフネット「アイエスエフネット、アライ宣言の取り組みを強化し、多様性を尊重する企業文化を醸成」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000759.000042830.html

参考 アイエスエフネット「LGBTQIAに関する取り組み」
URL:https://www.isfnet.co.jp/sustainability/society-lgbtqia.html

参考 厚生労働省「性的マイノリティに関する理解増進に向けて」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index_00007.html

人権ニュース編集部

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