入管「ゼロプラン」1年、難民支援の現場を検証 反貧困TV開催

この記事のポイント

1.反貧困ネットワークは6月25日、日本で暮らす難民の現状を扱うオンライン番組を開催する。
2.難民・移民フェスや「おとなりカフェ」の実践を通じ、支援される側に固定しない地域での関係づくりを紹介する。
3.入管庁の「不法滞在者ゼロプラン」公表から1年を受け、難民認定、在留、収容、送還をめぐる課題を検討する。

反貧困TV「それでも難民と歩む 〜ゼロプランから1年が経って〜」

一般社団法人反貧困ネットワークは2026年6月25日午後7時から8時30分まで、反貧困TV「それでも難民と歩む―ゼロプランから1年が経って―」を開催する。6月20日の「世界難民の日」にちなむ第3回企画で、YouTubeによる同時配信と、複合拠点「東京DEW」の会議室Aでの会場観覧を行う。いずれも事前申込が必要で、コミュニティー主導の文化企画「難民ウイーク」のイベントにも加わっている。

ゲストは、NPO法人北関東医療相談会理事で元明治大学教授の萩原芳子氏。司会進行を、高校生奨学金プロジェクトと反貧困ネットワークで活動する加藤美和氏、難民・移民フェス実行委員会と同ネットワークに所属する熊崎敬氏が務める。番組では、日本にいる難民の生活状況に加え、難民・移民フェスと「おとなりカフェ」の実践を取り上げる。「おとなりカフェ」は、日本で暮らす難民や移民が料理を提供する交流の場として、毎週水曜日に営業している。

番組名にある「ゼロプラン」は、出入国在留管理庁が2025年5月23日に公表した「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を指す。入管庁は、難民認定手続の迅速化や護送官付き国費送還などを進め、不法滞在者の縮減と共生社会の実現を図ると説明した。2026年5月22日には「強力推進パッケージ」を公表し、難民申請のうち「難民条約上の迫害に明らかに該当しない事情を主張している」と判断するB案件の類型拡充、在留制限の厳格化の検討、AIを含むデジタル技術の活用などを掲げた。

難民支援協会は、2025年にB案件へ振り分けられた申請が1615人、申請者の14.3%に増えたと指摘する。B案件への振り分けは、在留資格や就労、医療、住居の確保に直接影響し得るが、申請者には振り分けの結果や理由が説明されず、判断そのものへの不服申立てもできないとしている。審査の迅速化が、保護を必要とする人の早期認定につながるのか、それとも個別事情を十分に調べない不認定や送還を増やすのかが、人権上の分岐点となる。

反貧困ネットワークなど11団体は6月2日、強力推進パッケージが外国人の「管理」と「排除」を強めるとして撤回を求める共同声明を公表した。今回の反貧困TVは、政策批判だけでなく、料理、文化行事、奨学金、医療相談といった日常の活動から難民との関係を伝える構成となる。萩原氏、加藤氏、熊崎氏が6月25日の番組で示す現場の事例は、在留資格の有無だけでは捉えにくい生活実態と、ゼロプラン施行後の変化を確認する材料となる。

出典

一般社団法人反貧困ネットワーク「6月25日(木)反貧困TV『それでも難民と歩む~ゼロプランから1年が経って~』を開催します」
URL:https://hanhinkonnetwork.org/news/3926/

出入国在留管理庁「『国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン』について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/policies/others/05_001390.html

出入国在留管理庁「『不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~』について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/09_00048.html

認定NPO法人難民支援協会「難民の送還につながる入管庁『ゼロプラン』の『強力推進』に反対する意見」
URL:https://www.refugee.or.jp/report/2026/05/post-20843/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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