
国際NGOプラン・インターナショナルは2026年3月25日、世田谷区と共同で、女の子・若年女性の居場所「ゆうカフェ」の活動報告会を開催した。報告会は「女の子・若年女性の居場所『ゆうカフェ』の現場での気づきから」をテーマに行われ、世田谷区の行政関係者や子ども・若者の居場所事業関係者など約70人が参加した。「ゆうカフェ」は、プラン・インターナショナルが東京・池袋で運営する若年女性向け居場所「わたカフェ」での取組を基に、東京・下北沢に開設された15歳から24歳の女の子のためのカフェである。
報告会では、保坂展人世田谷区長が、困難な状況にある若年女性と接点を持ちにくい現状に触れ、つながりをつくる場として「ゆうカフェ」が設けられたことを説明した。続いて、杉田真衣・東京都立大学准教授が講演し、若年女性が抱える困難として、経済的困窮、性暴力などの被害、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の侵害を挙げた。困難が深刻な人ほど相談すること自体が難しいという指摘は、相談窓口を設けるだけでは支援に届かない層がいることを示している。
「ゆうカフェ」の取組報告では、名称に「あなた(You)のための場所」という意味が込められていること、プラン・インターナショナルの活動の根幹にあるセーフガーディングを規範として、利用者一人ひとりが安心して過ごせる環境づくりを進めていることが紹介された。社会福祉士、臨床心理士、助産師などの専門職が関わる「わたカフェ」の知見を基に、単なる交流スペースではなく、相談、休息、見守り、必要な支援への接続を含む居場所として機能している点に特徴がある。
若年女性支援をめぐっては、令和6年4月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行され、従来の婦人保護事業から、当事者の意思を尊重した包括的支援へと制度の考え方が転換している。家族や学校、職場、地域の中で困難を抱えていても、本人が自ら「支援が必要」と言語化できるとは限らない。自己責任論や過剰な努力を求める価値観が、若者の孤立や相談の遅れを深める場合もある。居場所事業は、問題が深刻化してから介入するだけでなく、日常の中で信頼できる大人や専門職と出会う予防的な支援として意味を持つ。
人権の観点からは、若年女性の困難を「家庭の問題」や「本人の弱さ」として扱わず、性暴力、貧困、発達特性、家族関係、教育機会、SRHRなどが重なり合う構造的課題として捉える必要がある。「ゆうカフェ」のような場は、本人が安心して過ごし、話せる相手を見つけ、自分の状況を少しずつ整理するための社会的基盤となる。行政と民間団体が連携し、地域に根ざした居場所を継続できるかどうかは、困難を抱える若年女性を孤立させない地域福祉の実効性を左右する。
プラン・インターナショナル「【開催報告】活動報告会:女の子・若年女性の居場所『ゆうカフェ』の現場での気づきから(3/25)」
URL:https://www.plan-international.jp/news/20260427_info-109/

