港区立男女平等参画センター リーブラは、2026年2月19日から28日まで、デートDV予防・防止を目的とした特別展示「つき合ってるからって、これ良いの?」を実施した。会場はリーブラ入口スペースで、交際相手との関係に潜む暴力や支配について、来館者が身近な問題として考える機会を提供した。リーブラは、デートDVについて、10代カップルの「3組に1組」に起きているというデータがあるほど身近な問題だと紹介している。
デートDVは、交際相手から受ける暴力や支配的な行為を指す。殴る、蹴るといった身体的暴力だけでなく、暴言、無視、行動の監視、交友関係の制限、スマートフォンのチェック、性的行為の強要、金銭の管理や要求なども含まれ得る。特に若年層では、「好きだから束縛する」「恋人なら従うべきだ」といった誤った思い込みにより、被害や加害に気づきにくいことがある。今回の展示の意義は、交際関係を私的な問題として片づけず、相手の意思や尊厳を尊重する人権課題として位置づけた点にある。
学校や家庭にとっても、デートDVの予防教育は重要な意味を持つ。若者の人間関係は、対面だけでなくSNSやメッセージアプリを通じて続くため、連絡頻度の強要、位置情報の共有、画像の送信要求、別れた後のつきまといなど、被害が見えにくい形で広がることがある。早い段階で「対等な関係とは何か」「同意とは何か」「嫌だと言える関係か」を学ぶことは、将来のDV、性暴力、ハラスメントを防ぐ基礎にもなる。
自治体の男女平等参画センターがこうした展示を行うことは、相談につながる入口を地域に開く意味もある。被害を受けている本人は、自分の状況を「暴力」と認識できないまま孤立する場合がある。周囲の友人や家族、教職員も、単なる恋愛トラブルと捉えてしまえば、支援の機会を逃しかねない。展示や啓発は、当事者だけでなく、周囲の人がサインに気づき、適切な相談先につなぐための土台となる。
人権の観点から見ると、デートDV対策は、若者の自己決定権、身体の安全、性的同意、ジェンダー平等を一体で考える課題である。交際していることは、相手を支配してよい理由にはならない。港区リーブラの展示は、恋愛関係の中にある力関係や思い込みを可視化し、若者、保護者、教育関係者が「親密な関係における暴力」を早期に理解するための啓発事例といえる。今後は、展示にとどまらず、学校での授業、地域講座、相談支援と組み合わせて、被害を未然に防ぐ取組を広げることが求められる。
港区立男女平等参画センター リーブラ
URL:https://www.minatolibra.jp/stopdatedv20260219_28/

