愛知県、ホームレス数が調査開始以降最少に

ホームレスに対する偏見や差別をなくそう

愛知県は、厚生労働省が令和8年4月27日に公表した「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」について、県内の調査結果を公表した。令和8年1月時点の愛知県内のホームレス数は104人で、前年の108人から4人、3.7%減少し、2003年の調査開始以降で最少となった。2003年1月の2,121人と比べると、22年間で2,017人、95.1%減少している。地域別では、名古屋市が77人で前年より5人増加した一方、名古屋市以外は27人で前年より9人減少した。

今回の調査は、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法と同基本方針に基づき、施策の効果を継続的に把握することを目的に実施された。調査対象は、法第2条に規定される「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」で、調査方法は全市町村における巡回による目視調査である。県内の起居場所別では、公園43人、河川30人、道路14人、駅舎1人、その他16人となっている。

全国では、確認されたホームレス数は2,481人で、前年度より110人、4.2%減少した。最も多かったのは大阪府803人で、東京都507人、神奈川県391人が続く。東京都23区及び指定都市のホームレス数は全国の約8割を占めており、大都市部に課題が集中している構図はなお続いている。愛知県でも県全体の104人のうち77人が名古屋市で確認されており、住まいを失った人への支援は、都市部の生活困窮者支援、居住支援、医療・福祉との連携が重要となる。

一方で、概数調査の減少をもって、住まいを失うリスクそのものが解消されたと見ることはできない。今回の調査は目視によるものであり、ネットカフェ、知人宅、一時宿泊施設、車中泊など、外から見えにくい不安定居住の実態を十分に把握するものではない。特に女性、若年層、高齢者、障害や疾病を抱える人、家族関係から避難している人などは、路上生活として可視化されにくい場合がある。人権の観点からは、「路上にいる人数」の減少だけでなく、安全な住まい、医療、就労、生活保護、相談支援につながる権利が実質的に保障されているかを見ていく必要がある。

ホームレス状態にある人への支援は、単なる生活指導や自立努力の問題ではなく、貧困、失業、疾病、孤立、家族関係、家賃負担、保証人確保の困難などが重なる社会的課題である。自治体には、巡回相談や一時宿泊にとどまらず、生活困窮者自立支援制度、生活保護制度、居住支援法人、医療機関、民間支援団体をつなぐ継続的な支援が求められる。調査開始以降最少という結果は一定の施策効果を示す一方、支援につながっていない人をどう把握し、路上生活に至る前の段階で住まいを守るかが、今後の地域福祉の焦点となる。

出典

愛知県「厚生労働省『ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)』に係る愛知県内のホームレス数等の調査結果について」
URL:https://www.pref.aichi.jp/press-release/homeless202601.html

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