横浜市、第6次男女共同参画行動計画を策定

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横浜市は、令和8年度から令和12年度までの5年間を計画期間とする「第6次横浜市男女共同参画行動計画」を策定した。計画は、横浜市男女共同参画推進条例に基づくもので、「誰もが多様な生き方を選択できる都市」を目指す姿に掲げている。市は、第5次計画の期間満了を受け、働き方、家庭内分担、DV防止、困難を抱える女性への支援、多様な性のあり方への理解促進などを一体的に進める方針を示した。

今回の計画で注目されるのは、令和6年4月に施行された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に基づく計画として新たに位置付けられた点である。これにより、DV、性暴力、生活困窮、孤立、家族関係、就労上の困難など、複雑で多様な課題を抱える女性に対し、行政と民間が連携して包括的な支援を行う方向性が明確になった。従来の男女共同参画施策が、雇用や家庭内役割の平等を中心に語られがちだったのに対し、今回の計画は、困難を抱える当事者への支援を市政の実務に組み込む意味を持つ。

背景には、制度整備が進む一方で、日常生活や職場に残る性別役割意識がなお大きいという現実がある。市の調査では、日常生活において約7割が性別に基づく期待や言動を経験したと回答しており、フルタイムの共働き世帯でも家事等に費やす時間は女性の方が長いとされる。また、働く環境では、テレワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方が普及し、男性の育児休業取得促進、ハラスメント対策、女性活躍の取組義務化が進んでいる。計画は、こうした制度上の変化と生活実態のずれを埋めるための行政計画として位置付けられる。

施策体系は、女性活躍の推進と働きやすい職場づくり、安全・安心な暮らしの実現、誰もが生き生きと生活活躍できる地域・社会づくりの3本柱で構成される。具体的には、働きたい・働き続けたい女性の活躍推進、誰もが働きやすい職場づくり、市役所における女性活躍と働き方改革、DV防止とあらゆる暴力の根絶、困難を抱える女性への支援、地域防災における男女共同参画、多様な性のあり方への支援と理解促進、ワーク・ライフ・バランス、健康支援、地域・教育における男女共同参画の推進を掲げている。特に、災害時には女性と男性で受ける影響やニーズが異なることから、地域防災における女性参画を施策の柱に位置付けた点は、近年の防災・人権施策の流れに沿うものである。

人権の観点からは、男女共同参画を「女性の活躍」だけに狭めず、暴力からの安全、健康支援、性的指向・ジェンダーアイデンティティを含む多様な性の尊重、家庭内分担の是正、地域防災への参画まで広げている点が重要である。計画では、管理職に占める女性割合、男性の育児休業・休暇取得率、市民のDV理解度、困難を抱える女性を社会全体で支援できていると思う市民の割合など、成果指標も設定された。今後は、掲げられた数値目標を、企業、地域団体、教育機関、相談支援機関の具体的な行動につなげられるかが問われる。横浜市の計画は、大都市における男女共同参画を、雇用政策、福祉政策、防災政策、人権啓発を横断する課題として再整理するものといえる。

出典

横浜市「誰もが多様な生き方を選択できる都市の実現に向けて『第6次横浜市男女共同参画行動計画』を策定しました」
URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/shimin/2026/0427danjokeikaku.html

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