1.福岡市教育委員会が8月10日、東区の市立小学校に勤務する40代教諭を体罰で戒告処分とした。
2.教諭は6月22日、給食のミニトマトを残した児童の頬をつかみ、口に入れた上で頭部と顎を押して咀嚼させた。
3.校長は文書訓戒、教頭は厳重注意となり、個人の行為だけでなく管理監督責任も問われた。

福岡市教育委員会は8月10日、東区の市立小学校に勤務する40代教諭を体罰を理由に戒告処分とした。市教委によると、教諭は6月22日、担任する学級の児童Aが残した給食のミニトマトを食べさせるため、児童の頬をつかみ、ミニトマトを口に入れ、頭頂部と顎の下を持って押すことで咀嚼させた。
学校教育法11条は教員による体罰を禁止している。文部科学省も、児童生徒への指導に当たり「いかなる場合も」体罰を行ってはならないとの考えを示してきた。今回の福岡市教育委員会の公表資料も事案を明確に「体罰」として処理しており、給食を食べさせるという指導目的があったとしても、児童の身体をつかみ、口に食品を入れて咀嚼を強制する行為は教育上の裁量として扱われていない。
人権上は、痛みやけがの有無だけでなく、児童が自分の身体に対する物理的な強制を受けた点を見る必要がある。学校では教員と児童の間に権限の差があり、児童がその場で拒否したり、後から問題を訴えたりすることが難しい場合もある。食事指導においても、安全面や健康面の事情を確認せず身体的強制に移行すれば、児童の尊厳や身体の安全に直接関わる。
福岡市教委は教諭本人だけでなく、指導監督が不十分だったとして校長を文書訓戒、教頭を厳重注意とした。この処分は、体罰防止を当該教員個人の資質だけに帰さず、学校の管理体制にも責任があると判断したことを示す。一方、公表資料には児童のけがの有無、児童や保護者への事後支援、学校で講じた再発防止策の詳細は記載されていない。処分の公表後、学校がどのような再発防止を行うかまで確認する必要がある。
福岡市教育委員会「職員の処分について」
URL:https://www.city.fukuoka.lg.jp/shisei/kouhou-hodo/hodo-happyo/2026/documents/260810hpkeisaiyou_syokuinnosyobunnitsuiteok.pdf
文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1331907.htm

