神奈川県、DVの気づき促す講座 非身体的暴力も具体例で解説

この記事のポイント

1 神奈川県のかなテラスが8月6日、DVの基礎知識を学ぶオンライン講座を開催する。
2 身体的暴力だけでなく、精神的、経済的、性的、社会的な暴力を具体例から整理する。
3 定員は先着80人で受講無料。県内在住・在勤・在学の女性や、女性DV被害者の支援者が対象となる。

アウェアの主張 代表理事 山口のり子

神奈川県立かながわ男女共同参画センター(かなテラス)は8月6日、2026年度第1回DV防止啓発講座「これってDV?と思ったら~あなたと身近な人を守る知識~」をオンラインで開く。夫やパートナーとの関係を「対等ではない」と感じる女性や、女性DV被害者の支援に携わる人を対象に、DVの基礎知識と被害に気づくための手がかりを伝える。定員は先着80人で、受講料は無料。申込みは7月22日まで受け付ける。

講師は、一般社団法人アウェア代表理事の山口のり子氏。山口氏は、ロサンゼルスでDV加害者プログラムの実施研修を受け、2002年に東京で「アウェア」を開設した。被害女性向けプログラム、加害者向け教育プログラム、若者向けデートDV防止プログラムの実施や、実施者の養成に携わってきた。講座では、暴力を身体への攻撃だけに限定せず、関係の中で相手の自由や尊厳を奪う行為として整理する。

県の案内は、殴る、蹴るといった身体的暴力に加え、暴言や無視などの精神的暴力、生活費を渡さないなどの経済的暴力、同意のない性的行為、親族や友人との付き合いを制限する社会的隔離を例示している。メールや電話を監視する行為、女性が働いて収入を得ることを妨げる行為も含まれる。目に見えるけががなくても、金銭、交友関係、就労、性的自己決定を継続的に支配されれば、被害者が外部へ相談し、自ら生活を選び直す余地は狭められる。

配偶者暴力防止法は2001年に成立し、相談、保護、自立支援などの体制を定めた。同法は被害者の性別を限定していない。内閣府によると、全国317か所の配偶者暴力相談支援センターが2024年度に受けた相談は12万7,796件だった。相談件数は社会で起きたDVの総数ではなく、相談窓口につながった事案の集計である。家庭内で行われ、被害者自身も「夫婦間の問題」「自分にも原因がある」と受け止めやすいDVでは、暴力の類型を具体的に知ることが、関係を捉え直す入口になる。

受講対象は、神奈川県内に在住、在勤または在学する女性のほか、女性DV被害者の支援に携わる人で、支援者は県外からも性別を問わず参加できる。講座はZoomを使い、カメラをオフ、マイクをミュートにして受講する。端末や通信をパートナーに監視されている場合、オンライン参加そのものを知られる危険もあるため、申込者は受講場所やメール受信環境を確認する必要がある。かなテラスは8月5日までに資料と接続情報を送付し、届かない場合は相談課への連絡を案内している。

出典

神奈川県「令和8年度第1回DV防止啓発講座『これってDV?と思ったら』」
URL:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/136333/r8dvbousikeihatsukouza.pdf

参考 内閣府男女共同参画局「配偶者暴力防止法」
URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/law/index2.html

参考 内閣府男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数等(令和6年度分)」
URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/data/pdf/2024soudan.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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