女性活躍推進法とは

女性活躍推進法とは、女性が職業生活で個性と能力を十分に発揮できるよう、事業主に行動計画の策定や情報公表などを求める法律を指す言葉です。人権ニュースでは、制度、判例、行政施策、地域の啓発活動などを理解するうえで重要な用語として扱います。

1.女性活躍推進法の意味

女性活躍推進法の正式名称は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律です。女性が職業生活で希望に応じて十分に能力を発揮できる社会を実現するため、国、地方公共団体、一般事業主に対して、女性の活躍に関する取組を求める法律です。

この法律は、女性だけを特別に優遇するための法律ではありません。採用、継続就業、配置、昇進、管理職登用、長時間労働、仕事と家庭の両立、男女間賃金差異など、職業生活の中で女性が能力を発揮しにくくなる構造を見える化し、改善につなげることを目的としています。

女性活躍推進法の中心になるのは、事業主による状況把握、課題分析、一般事業主行動計画の策定、届出、周知、公表、女性の活躍に関する情報公表です。企業や団体が、自社の雇用管理の実態を確認し、課題に応じた目標と取組を定める仕組みです。

2.制度・法律との関係

女性活躍推進法は、常時雇用する労働者数に応じて、事業主に義務や努力義務を課しています。一定規模以上の事業主は、自社の女性の活躍状況を把握し、課題を分析したうえで、一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局へ届け出る必要があります。

同法では、女性の活躍に関する取組の状況が優良な企業を認定する「えるぼし認定」や、より高い水準の「プラチナえるぼし認定」の制度も設けられています。これらは、採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースなどの実績を踏まえて、企業の取組を外部から見える形にする制度です。

2026年4月1日施行の改正では、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主についても、男女間賃金差異の情報公表が必須項目になりました。厚生労働省は、女性活躍推進法に基づく情報公表や一般事業主行動計画の策定に際し、改正法や改正省令・指針に沿った取組を行うよう案内しています。

女性活躍推進法は、男女共同参画社会基本法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法、次世代育成支援対策推進法などと関係します。性別による差別を禁止するだけでなく、職場の実態を数値や行動計画で可視化し、継続的な改善につなげる制度として位置づけられます。

3.人権上の論点

女性活躍推進法の人権上の論点は、職場における男女の機会の差が、本人の能力や意思ではなく、雇用管理、評価制度、長時間労働、育児・介護負担、固定的な性別役割分担によって生じていないかを点検する点にあります。女性が採用されにくい、管理職に登用されにくい、出産や育児を機にキャリアが中断される、男女間で賃金に差があるといった問題は、職業生活における平等と尊厳に関わります。

特に、男女間賃金差異の公表は、職場の構造を可視化する意味を持ちます。賃金差異そのものが直ちに違法な差別を意味するわけではありませんが、採用区分、勤続年数、管理職比率、非正規雇用の割合、育児・介護による就業中断などが重なると、結果として大きな格差が生じる場合があります。公表された数字を出発点に、企業が原因を分析し、改善策につなげることが重要です。

一方で、女性活躍という言葉が、女性にだけ一方的な努力を求める形で使われると、制度の趣旨から外れます。女性が活躍できない原因が、長時間労働、転勤を前提とした人事、育児や介護との両立困難、ハラスメント、管理職登用の慣行にある場合、変えるべきなのは個人の意識だけではなく、職場の制度と運用です。

女性活躍推進法を理解する際には、企業の認定取得や情報公表だけでなく、女性が安全に働き続け、昇進や職業選択の機会を得られる環境づくりと結びつけて読む必要があります。自治体、企業、労働組合、求職者がこの法律を扱う場合には、行動計画の有無、情報公表の内容、男女間賃金差異、管理職比率、両立支援、ハラスメント防止策を具体的に確認することが重要になります。

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