国際交流基金、宗教リテラシー実践者招へい 神社・寺院・モスクを巡る10日間

この記事のポイント

1.国際交流基金がインドネシアのレイメナ研究所エグゼクティブディレクター、マティウス・ホー氏を8月25日から10日間招へいする。
2.東京、京都、広島で明治神宮、清水寺、大塚モスク、大学などを訪問する予定。
3.宗教や文化の違いを知識として学ぶだけでなく、異なる宗教空間と直接接触する日程が組まれている。

マティウス・ホー(Matius Ho)氏

国際交流基金(JF)は8月25日から10日間、インドネシアのレイメナ研究所エグゼクティブディレクター、マティウス・ホー氏を日本に招へいする。8月26、27日は東京で明治大学、高校生のための多文化共生サマースクール、明治神宮などを訪れ、27日から30日は京都の同志社大学、妙法院、清水寺と広島の平和記念公園、8月31日から9月3日は東京の大塚モスク、坊主バー、立正大学などを訪問する予定だ。旅程の詳細は現在も調整中としている。

ホー氏が推進してきたのは「Cross-Cultural Religious Literacy(CCRL)」と呼ばれる取組で、国際交流基金によると5年間で1万1,000人を超える参加者があり、2025年には「ASEAN共同体ビジョン2045」に採用されたという。ここは情報の扱いに注意が必要で、今回の公表資料は国際交流基金側による説明であり、ASEAN文書のどの項目にCCRLが反映されたのかという採択過程までは示されていない。このため、「ASEANに採用」とだけ断定するより、国際交流基金の説明として伝えるのが正確だ。

今回の日程から読み取れる特徴は、多文化共生を抽象的な講義だけで終わらせていないことにある。神社、寺院、モスクという異なる宗教的背景を持つ場所に加え、大学、高校生向けプログラム、広島平和記念公園などを横断する。異なる宗教を「他者についての知識」として学ぶだけでなく、実際の空間や担い手と接触して理解する設計であり、宗教間対話や偏見の抑制を考える素材になる。

宗教的少数者との共生では、信仰内容の知識量だけではなく、自分とは異なる宗教実践をどこまで日常の社会関係の中で受け入れられるかが問題になる。国際交流基金の文化人短期招へい事業が、明治神宮、妙法院、清水寺、大塚モスクといった異なる場所を実際に結ぶ点は、その課題を日本社会の現場で考える試みといえる。8月25日以降の交流内容や参加者との対話がどこまで公開されるかも、事業の成果を知る材料になる。

出典

国際交流基金「『ASEAN共同体ビジョン2045』に採用!多文化・多宗教間の理解を促進するマティウス・ホー氏を招へい」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000079420.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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