
三重県は、児童相談支援課が児童自立生活援助事業を行う里親へ文書を送付した際、誤って別の里親宛ての通知文書を同封し、個人情報が漏えいしたと公表した。漏えいしたのは、2世帯の里親の氏名と児童入所施設措置費の支払い額である。県は関係者に謝罪するとともに、個人情報の取扱いに改めて注意し、再発防止を徹底するとしている。
県によると、児童自立生活援助事業を行う里親に対しては、児童入所施設措置費の単価改定があった場合、差額分を整理した差額表を送付している。2026年4月21日、県は対象となる里親7世帯に差額表を郵送したが、4月24日に里親2世帯から「別の里親の差額表が同封されていた」と連絡があった。同日、県は全ての里親世帯に電話連絡や訪問を行い、謝罪と状況確認を実施。その結果、7世帯のうち3世帯には正しく送付されていた一方、4世帯には誤った文書が送付され、うち開封された2世帯の里親情報が漏えいしていたことが判明した。
児童自立生活援助事業は、里親委託を解除された人などに対し、里親の住居等で引き続き日常生活上の援助や指導等を行い、自立支援を図る事業である。社会的養護を経験した子ども・若者の生活再建や自立を支える制度であり、里親との信頼関係、行政との連絡、措置費の支払いなどが継続的に関わる。今回漏えいした情報は、氏名と支払い額に限られるが、里親家庭に関する情報は、家庭状況や支援関係を推測され得る性質を持つため、通常の事務文書以上に慎重な管理が求められる。
原因について、県は、文書を封入する際に封筒宛名と文書記載の里親名が一致しているか十分に確認せず、別人の文書であることに気付かないまま送付したためとしている。開封済みで正しく送付されていた1件を除き、他の6件は全て回収し、各里親に対して謝罪と経過説明を行ったうえで、改めて正しい通知文書を送付した。今後は、個人情報を扱う場合の手順や注意点を確認する研修を速やかに実施し、外部への文書送付時にはダブルチェックを確実に行うとしている。
この事案は、単なる封入ミスではなく、社会的養護に関わる個人情報保護の問題である。里親制度や児童自立生活援助事業は、子ども・若者の生活の安定と尊厳を支える制度であり、関係者が行政に安心して情報を預けられることが前提となる。地方公共団体には、文書送付前の複数人確認、封入・封緘手順の標準化、送付対象リストと文書の照合記録など、現場で実行可能な再発防止策を定着させることが求められる。支援制度への信頼を損なわないためには、今回のような誤送付を個人の注意不足にとどめず、組織的な情報管理の課題として改善する必要がある。

