
2002年8月7日、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が公布・施行された。同法は、ホームレスの人権に配慮し、地域社会の理解と協力を得つつ必要な施策を講じることにより、問題解決に資することを目的としている。住まいの喪失を福祉と人権の課題として位置付ける制度的な節目である。
ホームレス状態にある人への支援は、単に路上から移動してもらうことではない。住居、就労、生活保護、医療、福祉、相談支援を組み合わせ、安定した生活を取り戻すことが重要である。一方で、地域からの排除や偏見、公共空間での扱い方をめぐる問題も生じやすく、行政対応には人権配慮が求められる。
人権の観点では、住まいは他の権利行使の前提となる。住所がないことは、就職、医療、福祉手続、情報取得、人間関係の回復を困難にする。8月7日の節目は、地方公共団体や福祉関係者、地域住民が、ホームレス問題を治安や景観の問題としてだけでなく、生活再建と尊厳回復の課題として捉え直す機会となる。
