1.ユニセフは9月4日、ネパールの洪水・土石流被災地向け緊急支援物資84トンがカトマンズに到着したと発表した。
2.被災から1週間余りの時点で、少なくとも2万2,000人の子どもが安全な飲料水、衛生設備、衛生支援を緊急に必要としている。
3.水・衛生だけでなく学校や保健施設も被害を受けており、災害時の子どもの健康と教育を継続的に保障する支援が課題となる。

ユニセフ(国連児童基金)は2026年9月4日、ネパールのカトマンズに緊急支援物資84トンを積んだ航空便が到着したと発表した。8月下旬にボテコシ川・トリシュリ川流域を襲った洪水・土石流に対応するもので、欧州連合(EU)の支援を受け、コペンハーゲンの物資供給拠点から輸送された。貨物には貯水タンク、水処理用品、衛生キット、急性水様性下痢症への対応物資、診断機器、テント、乳幼児・子ども用冬服、学習教材などが含まれる。
ユニセフ・ネパール事務所は9月3日、被災から1週間余りが経過しても、少なくとも2万2,000人の子どもが安全な飲料水、衛生設備、衛生支援を緊急に必要としていると公表した。被災地域では給水設備やトイレが損壊し、家を失った家族が親族宅や一時的な滞在施設に集中している。このため、水系感染症などが拡大するリスクも高まっている。ラスワ、ヌワコット両地域では約1万9,000人分の水・衛生関連物資もすでに発送されている。
災害時に安全な水が確保できないことは、単なる生活上の不便ではない。子どもの権利条約24条は、子どもが到達可能な最高水準の健康を享受する権利を認め、疾病や栄養不良への対応として清潔な飲料水の供給などを挙げている。28条は教育を受ける権利を定める。今回の被災地では学校や保健施設も損傷しており、水・衛生、健康、教育の問題が同時に生じている。学習教材が84トンの緊急物資に含まれているのも、生命維持だけでなく子どもの日常を回復する支援が必要だからだ。
緊急物資の到着は支援の一段階にすぎない。ユニセフは、壊れた給水システム、配管、ポンプ、トイレなどについて、元の状態へ戻すだけでなく将来の洪水にも耐えられる形で再建する必要があるとしている。被災直後に水や衛生用品を届けた人数だけではなく、学校再開、保健サービス、水道・衛生インフラの復旧をどこまで継続できるかが、子どもの権利を災害後も保障する上での基準となる。ネパールのボテコシ川・トリシュリ川流域では、緊急支援から復旧・再建へ移る過程でも子どもを支援対象の中心に置く必要がある。
日本ユニセフ協会「ネパール土石流 緊急支援物資がカトマンズに到着」
URL: https://www.unicef.or.jp/news/2026/0139.html
UNICEF Nepal「More than one week on from Nepal’s floods, thousands of children remain without safe water and face rising risk of disease」
URL: https://www.unicef.org/nepal/press-releases/more-one-week-nepals-floods-thousands-children-remain-without-safe-water-and-face
日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 全文」
URL: https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig_all.html

