1.出入国在留管理庁が公表した2026年6月末の在留外国人数は428万1,026人となり、過去最多を更新した。
2.特定技能は44万4,256人となり、2025年末から5万3,960人増加した。
3.外国人住民の増加に伴い、在留資格の違いを踏まえた就労支援、教育、医療、行政サービスへのアクセスが課題となる。

在留外国人数が半年で15万人以上増加
出入国在留管理庁は2026年10月16日、同年6月末時点の在留外国人数が428万1,026人となり、過去最多を更新したと公表した。2025年末の412万5,395人から15万5,631人増加し、増加率は3.8%だった。内訳は中長期在留者が401万7,321人、特別永住者が26万3,705人。国籍・地域別では中国が94万1,031人で最も多く、ベトナム69万3,750人、韓国40万8,682人、フィリピン36万2,761人、ネパール33万4,850人が続いた。インドネシアは30万7,456人、ミャンマーは21万1,602人となっている。
在留資格別では、永住者が96万1,342人、技術・人文知識・国際業務が51万6,184人、留学が47万9,626人、技能実習が45万7,509人、特定技能が44万4,256人だった。特定技能は2025年末から5万3,960人増加しており、同期間の在留外国人全体の増加数の約35%に相当する。ただし、在留資格間の変更による増加も含まれるため、この数字をそのまま新規入国者数と解釈することはできない。
技能実習から育成就労へ、制度転換期の受入れ
今回の統計を読み解くうえでは、技能実習と特定技能の違いが重要になる。技能実習制度は技能等の移転による国際協力を制度目的としてきたのに対し、特定技能制度は人手不足が深刻な産業分野で一定の技能を持つ外国人を受け入れる仕組みである。両制度では、在留期間、転籍・転職、家族帯同などの取扱いが異なる。
2024年6月には技能実習制度を発展的に解消し、新たな育成就労制度を設ける改正法が成立した。育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成することを目指し、2027年4月1日に施行される予定である。一定の要件を満たす場合の本人意向による転籍を認めるなど、従来の技能実習制度とは異なる仕組みも導入される。2026年6月末の統計は、この制度転換前の外国人就労の実態を示す基礎資料となる。
外国人労働者と外国人住民は同義ではない
都道府県別では東京都が82万4,486人で最多となり、大阪府38万9,846人、愛知県36万9,849人、神奈川県33万1,515人、埼玉県30万5,867人が続いた。東京都だけで全国の19.3%を占める。ただし、人口に占める外国人住民の割合や国籍構成、就労分野は地域によって異なるため、人数の多い自治体だけに生活支援の課題が集中しているわけではない。
在留外国人には、就労者のほか、留学生、永住者、家族とともに暮らす人などが含まれる。企業の雇用管理だけでは対応できない問題として、日本語教育、外国につながる子どもの学習支援、医療通訳、住居の確保、行政手続の多言語化などがある。外国人住民を労働力としてのみ捉えると、地域で生活するうえで必要な制度利用や社会参加の問題が見落とされる。
人数の増加と社会問題を混同しない統計の読み方
外国人住民の増加を治安や社会保障などの問題と結び付けて論じる場合には、統計の対象や制度上の条件を区別する必要がある。在留外国人数の増加自体は犯罪の増減や社会保障制度への負担を示すものではなく、そうした影響を判断するには、それぞれの分野の資料との照合が必要となる。
出入国在留管理庁が公表した428万1,026人という数字は、日本に暮らす外国人の規模を示す一方、雇用条件や生活上の困難、行政サービスへのアクセス状況までは明らかにしない。国と自治体が2027年の育成就労制度施行に向けて受入れ体制を整備する際には、在留資格別の変化に加え、外国人住民の生活実態や相談支援の利用状況を継続して確認する必要がある。
出入国在留管理庁「令和8年6月末における在留外国人数について」 URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00070.html

