広島県、10代のオーバードーズと薬物乱用を考えるシンポジウム開催へ

広島県は、こどもの日記念シンポジウム2026「あなたには何ができますか?~身近に迫る10代オーバードーズ(OD)と薬物乱用~」を、2026年4月26日に広島市青少年センターで開催する。時間は13時30分から17時までで、13時に開場する。入場は無料。10代の市販薬などの過量服薬、いわゆるオーバードーズや薬物乱用をテーマに、若者を取り巻く現状を考える機会として企画された。

プログラムは2部構成で、第1部では13時30分から演劇「はばたけピピオ!パート15『たちまちーin the rainー』」を上演する。第2部では15時30分から、大学生・高校生によるフリートーク「薬物にどう向き合うか、若者たちの本音」を実施する。行政や専門家から一方的に注意を促すだけでなく、若い世代自身の言葉で薬物との距離感や不安、周囲の支えについて考える構成となっている点が特徴である。

10代のオーバードーズは、単なる「非行」や「薬物乱用」としてだけでは捉えきれない。背景には、家庭や学校での孤立、いじめ、精神的な不調、SNS上の人間関係、将来不安、相談先の不足などが重なっている場合がある。市販薬は入手しやすく、違法薬物とは異なる身近さがある一方、過量服薬によって急性中毒や依存、心身の健康悪化につながる危険がある。予防には、薬の危険性を教えるだけでなく、子どもがなぜ薬に頼らざるを得ない状況に置かれているのかを理解する視点が欠かせない。

人権の観点からは、オーバードーズをする子どもを責めるのではなく、SOSを発している可能性のある存在として受け止めることが重要である。学校、家庭、地域、医療機関、相談機関が連携し、子どもが安心して悩みを話せる環境をつくる必要がある。薬物乱用防止教育も、恐怖を与える啓発に偏るのではなく、ストレスへの対処、信頼できる大人への相談、友人の異変に気づいたときの行動など、実際の生活に即した内容にすることが求められる。

今回のシンポジウムは、薬物乱用防止を青少年健全育成の問題としてだけでなく、子どもの心の安全、相談支援、孤立防止の課題として捉え直す契機となる。保護者や教育関係者にとっては、子どもの行動の背後にある悩みを早期に把握し、叱責や排除ではなく支援につなげる姿勢を確認する場となる。若者の声を起点に、地域全体で「何ができるか」を考えることが、深刻化する前の予防と回復支援につながる。

こどもの日記念シンポジウム2026のチラシ
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