小郡市、県内初条例でハラスメント無料相談開始

この記事のポイント

1.小郡市は7月から、弁護士によるハラスメント無料相談窓口を開設する。
2.対象は小郡市に居住、通勤、通学する人で、毎月第1・第3火曜日に実施する。
3.背景には、2026年4月1日に施行された「小郡市ハラスメントの防止等に関する条例」がある。

小郡市のロゴ

小郡市は2026年7月から、ハラスメントに関する弁護士無料相談窓口を開設する。相談日は毎月第1・第3火曜日、時間は午後1時から午後5時まで。場所は小郡市人権教育啓発センターで、対象は小郡市に居住、通勤、通学する人とされている。1日当たり先着4人までの予約制で、相談時間は1人1時間まで。初回は7月7日に実施予定で、予約は6月29日午前8時30分から受け付ける。

相談窓口では、ハラスメントに関する問題について、弁護士が解決に向けた助言を行う。予約方法は、予約受付専用フォームまたは電話で、電話予約は小郡市総務課直通の0942-73-9107で受け付ける。市の案内では、相談には予約が必要で、当日申込受付は行わない。相談内容の秘密は守ると明記しており、被害を受けた人が相談前から二次被害を警戒して沈黙することを避けるためにも、相談の秘匿性を示した点は実務上の意味を持つ。

この窓口は、2026年4月1日に施行された「小郡市ハラスメントの防止等に関する条例」に基づく施策の一つである。小郡市によると、市民を対象にしたあらゆるハラスメントの防止等に関する条例の制定は全国的に珍しく、福岡県内では初めての条例とされる。市は3月、福岡県弁護士会および福岡県弁護士会筑後部会と「あらゆるハラスメントのない公正かつ持続可能なまちづくりに関する協定」を締結しており、今回の相談窓口はその協定を踏まえた支援体制の整備に当たる。

条例は、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント、パワーハラスメント、カスタマーハラスメントなどを念頭に、あらゆるハラスメントを防ぐための基本理念、市、市民等、事業者の責務を定めている。小郡市の条例概要では、ハラスメントを、個人の尊厳、名誉、プライバシーなどの人格を不当に傷つけ、安全、健康、生活を侵害し、能力を発揮する機会や可能性を奪うものとして整理している。職場だけでなく、地域生活、通学、買い物などの場面を含めて制度設計している点に特徴がある。

人権上の論点は、ハラスメントを個別の対人トラブルに閉じ込めず、相談、助言、啓発、事業者対応を一体で扱えるかにある。条例第6条の概要では、事業者に対し、就業者がハラスメントを受けた場合の安全確保や、行為者への必要かつ適切な措置を求めている。条例に罰則や氏名公表の仕組みがあるとまでは市の公表資料から確認できないため、今回の窓口は、制裁よりも早期相談と法的助言を通じて被害の拡大を防ぐ施策として読む必要がある。

小郡市は、相談日の2週間前の水曜日午前8時30分から相談日前週の金曜日まで予約を受け付けるとしている。ただし、7月7日実施分のみ6月29日午前8時30分から受付を始める。小郡市人権教育啓発センターで開く月2回の相談窓口が、条例の理念を実際の支援につなげられるかは、相談後の助言内容、関係機関との接続、事業者や学校への周知の積み重ねによって決まる。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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