教職員性暴力疑い52件、9件増 東京都教委の第三者相談窓口

この記事のポイント

1.東京都教育委員会の第三者相談窓口が2025年度に受け付けた相談・意見は774件で、前年度より259件減少した
2.教職員による性暴力等が疑われる相談は52件となり、前年度の43件から9件増えた。
3.52件のうち事実が認められたものは1件、確認困難が27件、調査継続中が3件だった。

東京都

東京都教育委員会は2026年6月25日、「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」が2025年度に受け付けた相談実績を公表した。相談・意見の総数は774件で、2024年度の1,033件から259件減った。内訳は相談シートによるものが694件、電話・メールが80件。校種別では小学校が530件と最も多く、中学校163件、高等学校54件、特別支援学校9件、義務教育学校3件、その他15件だった。

774件のうち、都内公立学校の教職員に関する相談は498件だった。この中で、教職員による性暴力等が疑われる相談は52件となり、前年度の43件を9件上回った。調査の結果、事実が認められたものは1件、認められなかったものは21件、加害者や相談者を特定できないなど事実確認が困難だったものは27件、調査を継続しているものは3件。性暴力以外の体罰や不適切な指導など、教職員の指導に関する相談は446件で、このうち121件で事実が認められた。

東京都教育委員会は2022年度、学校内部とは別の経路から相談できるよう、弁護士らが対応する第三者相談窓口を設置した。都内全公立学校の児童・生徒に相談シートを配布し、郵送とオンラインでも受け付けている。2023年度には「傷つく言葉を言われた」などの項目を追加し、性暴力だけでなく体罰や不適切な指導をワンストップで相談できる形式に改めた。小学校低学年向けのシートは、「おかしいな、モヤモヤするな、イヤだな」と感じた行為を尋ね、名前を書かなくても相談できることを明記している。

窓口が扱う「性暴力等」には、刑事罰の対象とならない行為も含まれ、児童・生徒の同意や暴行・脅迫の有無は問わない。教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律も、児童・生徒の尊厳を保持し、権利利益を擁護することを目的として2022年4月に施行された。教職員と児童・生徒との間には指導・評価を巡る力の差があるため、外形的な同意だけで行為を正当化しない制度設計となっている。

公表された「事実が認められた1件」は、学校現場で生じた性暴力等の総数を示す数字ではない。相談に至っていない事案は集計されず、相談を受けても27件は事実確認が困難だった。都教委は、確認できなかった場合も区市町村教育委員会へ情報を提供し、児童・生徒の動向を注視すると説明している。事実が認められなかった21件についても、教職員に誤解を招く行動をしないよう注意喚起する。東京都教育委員会が、確認困難となった27件を区市町村教育委員会や学校経営支援センターとどう共有し、児童・生徒の安全確認を継続するかが、第三者相談窓口の実効性を左右する。

人権ニュース編集部

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