練馬区、母の日に合わせ乳がん検診受診を呼びかけ

練馬区母の日乳がん検診

東京都練馬区は、5月10日の「母の日」に向けて、乳がん体験者の会「ピンクリボン in NERiMA」と協働し、乳がん検診の受診啓発キャンペーンを実施している。期間は5月10日までで、区内フラワーショップ31店舗の協力を得て、母の日に贈る花とともに、乳がん検診の受診を促すメッセージ入りポケットティッシュ約1,200個を配布する。配布はティッシュがなくなり次第終了する。日常生活の中で立ち寄る店舗を啓発の場とすることで、検診情報に触れる機会を広げる取組である。

区は、区内在住で「ピンクリボン in NERiMA」代表の西貝圭子さんや、区内の乳がん検診実施医療機関と協力し、乳がん啓発動画も作成している。動画は、健康推進課YouTubeチャンネル「ねりま健康ちゃんねる」で配信され、日頃から自分の乳房に関心を持つ「ブレスト・アウェアネス」や、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することの大切さを伝えている。西貝さんは、自分のためだけでなく家族のためにも、日頃から乳房に関心を持ち、検診の機会を逃さないよう呼びかけている。

練馬区によると、令和6年の全国がん死亡データでは、40歳以上65歳未満女性のがん死亡者における原因の1位は乳がんである。区内でも、令和5年の40歳以上65歳未満女性のがん死亡者における原因の1位は、全国と同様に乳がんとなっている。区の乳がん検診受診率は、令和2年度24.8%、令和3年度25.1%、令和4年度23.4%、令和5年度22.6%、令和6年度24.6%と示されており、検診受診率の向上は引き続き課題となっている。

人権の観点から見ると、がん検診の啓発は単なる健康情報の周知にとどまらない。仕事、家事、育児、介護などを担う女性が、自分自身の健康を後回しにせず、必要な検診や医療につながれる環境を整えることは、健康に関する自己決定と医療アクセスの保障に関わる。特に乳がんは、身体的な不安だけでなく、治療、就労、家族生活、外見の変化、精神的負担にも影響し得るため、早期発見・早期治療の情報を地域の中で届ける意義は大きい。

「ピンクリボン in NERiMA」は、平成24年の結成以降、練馬区内で乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝える講演会などの啓発活動を行ってきたほか、乳がん体験者が集まって話ができる「乳がんカフェ」を月1回開催している。行政、医療機関、体験者団体、地域店舗が連携する今回の取組は、検診を「受けるべきもの」と一方的に知らせるだけでなく、不安を抱える人が経験者の声や相談の入口に触れる機会にもなる。今後は、受診率の向上に加え、検診後の相談、治療と仕事の両立、家族への情報提供まで含めた地域支援の広がりが重要となる。

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